* PROLOGUE *
皆さん、お久しぶりです。このシリーズも、Part3に入りました! セシルの行く道はどうなることでしょうか? ギルバートの恋心の行方は?
Part3で二人の関係は?
ポタリと落ちた滴が波紋を作る。波紋が広がって行き、軽やかなさざ波ができる。
そして、水面は何事もなかったかのように落ち着きを取り戻し、キラキラと太陽の日差しを反射して、水面が輝きを増す。
そうかと思えば、雲が翳り、空気圧が膨れて霧雨が落ちて来る。まだ、嵐の予兆ではない。ただ、音もなく、なんとはなしに肌を湿らす白い煙のようなもの。
水面がゆらゆらと揺れて、空気の変わり目と、天候の変わり目を告げ出している。
突然、雨だれが滝のように落ちて来た。
静かだった水面を動かし、滴が跳ね上がり、強く叩きつけていく。一体、どこが始まりで、どこが終わりなのかも知れない激しい雨音が響き、絶え間なく滴が飛び跳ねていく。
手の付けられないような様子でも、深い水の中は静穏だ。外が激しく雨音を撒き散らしても、滴が飛び跳ね、周囲をずぶ濡れに巻き込んでも、いずれ雨は止む。
止んだ後には、洗い清められたような空気と景色が広がって来るものだ。隙間もないほどに乱れ飛んでいた水面は、ダイヤモンドの輝きを取り戻したかのように澄んできらめきを取り戻す。
水が濁ろうが、濁りは沈殿し、澄んだ輝きを取り戻す。
水のせせらぎも、戻ってきている。静かで、密かやかで、呟きのように親し気で。
また、新しい一年が始まろうとしている。セシルの一年が始まろうとしている。
嵐や豪雨ではなく、霧雨の気配も見えていないはずなのに、ずぶ濡れでびっしょりと濡れてしまうほどの予兆がある。
ずぶ濡れになった後の爽快感と、多少の不快感。でも、道は閉ざされたわけではない。一時的な喧騒と混乱を生もうが、水面下は静穏だ。
そして、いつも以上の輝きを増して、水面が輝いて行く。
セシルの進む道も、変わらない。そして、いつも以上の輝きを放ち、水面が輝いて行くように、セシルの進んで行く道も輝いて行く。
誰にも負けない輝きを放ち、どこまでも親し気にさざ波のように軽やかに揺れて、進んで行く。
なにが待ち構えているのか。
なにがやって来るのか。
今年も、新たな一年が始まる。生き抜いて、生き延びていく、一年が始まる。
セシルが知らないだけで、もう、霧雨は過ぎ去って、次の大きな雨音を待っているだけなのに。
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今までは、毎日投稿を頑張ってきてみましたが、大変です……。ものすごいプレッシャーでした。
Part3からは、週に三回ほどの投稿をしていきたいと思います。月・木・土曜の三度、投稿しますので、よろしくお願いします





