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А.а 始まり - 07(セシルの歴史教室:根菜類)

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今日は、久しぶりに、セシルの歴史教室も混ざっています。お話は、根菜類。

またまた、雑学が一つ増えました ☆^▽^☆

 今夜はセシルのおかげで、全員が、すっかりお腹を満たし、食事を満喫できた夜だった。


 だが、お店を出る際に生じた問題で、セシルは改めて――騎士サマの“紳士道”を、身を以て知ることになる。


「その紙は、なんでしょう?」

「伝票ですの」


「でんぴょう? それは、何ですか?」


 貴族達が贔屓にするレストランなどでは、伝票など、一切、使用しない。


 食事がいくらだったかなど、大広げに出すなど、貴族を侮辱していることになるし、恥をかかせてしまうことになる。


 ウェイターが静々とテーブルによって行き、皮の台帳にチェックを乗せてもらうか、トレーに置かれた金銭を受け取るか、控えめで、目立たない会計が済まされる。


「食事処やレストランでは、こういった伝票というものを使用しておりますの。頼んだ注文書のようなものです。それを持って、ここの――レジと言う場所で、会計を済ませますの。忙しい時など、テーブルに代金を置かれてしまっては、確認することも、受領することもできませんから」


「――なるほど」


 だが、以前、観光のついでに連れて行ってもらった“ラ・パスタ”では、ギルバートは、「伝票」 などというものを、使用した記憶はない。


 「代金は?」 と聞いて、店員の女性が、テーブルで済ませてくれた記憶があるが?


 そのギルバートの様子を見やりながら、セシルも微苦笑を浮かべてしまう。


「今夜は、人数が多いですからね。頭で記憶しておくには、少々、多めかな、と」

「ああ、なるほど」


 セシルが渡した紙切れを受け取った店員が、机の上で――パチパチと、なにかを弾いていく。


「あの、それは?」

「「そろばん」 ですの」


「そろばん、とは?」

「計算が簡単にできるものなんです。こうやって、商売人に教えたら、皆、結構、上手くできるようになりましてね」


「――なるほど」


 だが、「そろばん」 も、全く未知の世界の品物だ。


「マスター、こちらがお会計になりますが」

「あら、ありがとう」


「あっ――待ってくださいっ」


 ものすごい勢いで留められて、パチクリ、とセシルも瞬きを繰り返す。


「あの……、なにか……?」

「まさか――ご令嬢が、我々の代金を……?」


「ええ、そうですけれど……」

「そんなっ……! ――いけません」


「えっ……?」


 なぜ、そんな悲壮な様相を浮かべて、ギルバートが焦ってセシルを止めてくるのだろうか。


「――なにが、でしょう……?」

「このようにお世話になった上に、ご令嬢に、我々の食事の支払いをさせるなど――もう……私の面目も、立場もございません……」


「――えっ?」

「どうか……、それは私に」


「……いえ、お気になさらないで――」


 ください……と、言おうとしたセシルの前で、ギルバートが、更に、悲壮さを強く表してしまったので、セシルも、半ば驚いたまま、口を閉ざしてしまった。


 さすが――王国騎士団。


 騎士道が徹底しているだけでなく、噂に聞く“紳士道”も徹底していたなど……。


「――では……、ご迷惑で、なければ……?」

「もちろん、迷惑ではございません」


 あからさまにホッとしているギルバートを見て、セシルも、内心で、かなり驚いてしまっていた。


 女性に(おご)られる、(おご)らせる――という行為は、そこまで悲壮になって、思いつめてしまうものだったなんて、セシルも思いもよらなかったものだ。



(さすが……、王国の騎士サマ。王子サマ……。紳士道が徹底しているわぁ……)



 ギルバート達は、毎回、毎回、新発見、初体験、新たな経験ばかりして驚いてしまっているが、実は、今夜は、セシルも、珍しい初体験をしていた夜だったのだ。





 そこで、ちょっと歴史の雑談なんて?



~*~ セシルの歴史教室:根菜類 ~*~

 根菜。Root Vegetables。


 一般的に知られている根菜類は、

• ジャガイモ

• ニンジン

• オニオン

• カブ

• パーシニップ

• ラディッシュ

• さつまいも

などがありますね。


 ローストにしてもおいしし、油で揚げてもGood。煮物にも合い、サラダにも抜群の相性です。


 以前、発掘された証拠から、50,000年前より、人類は、料理をしたデンプン類の野菜を食べ始めていたと、言われています。


 近年、“Science”ジャーナルでは(by www.science.org/doi/10.1126/science.aaz5926)、新たな証拠が出て来たそうです。


 約170,000年前に、南アフリカの洞窟で発見された証拠によると、その時から、人間は、なんと、根菜類(ポテトに近いもの) をローストしていたという新発見です。


 そんな大昔から、ローストの根菜類……。

 うーん、すごいですねえ。


 ここで、なぜ、カボチャが根菜類に入ってないの? ――なんて、思われるかも。


 実は、()()()()()()()に言えば、カボチャは“フルーツ”として分類されます。

 “ベジタブル(野菜)”ではありません。


 ええっ?!

 なんて思うでしょう?


 うんうん、私もそう思いました。


 日本のサイトでも、カボチャは“野菜”と言っているのもみかけますが、“フルーツ”(果菜類) と分類されるそうです。


 なぜかと言うと、カボチャは種をつける花の植物の一種だからそうです。花に花粉がつき、その花が実となるから、“フルーツ”となるそうなのです。


 “ベジタブル(野菜)”というのは、植物の食用性のある部分のことを、言うのだそうです。

 例えば、葉や、茎や、根や、花や、結節部分など。


 ただ、カボチャはフルーツの甘さというよりも、風味があり、少し塩味のようなものがフルーツよりも多いため、料理をするにあたっては、“野菜”というように分類されているようですね。


 今日も、驚きました。


 根菜類の野菜は、比較的、育てるのも簡単です。種を植える時には、余裕を持ったスペース(要は、空きスペースですね) が大事だとか。


 ジャガイモの歴史も、長いですよねえ。

 紀元前、8,000年から5,000年頃、ペルーのインカ帝国が、ジャガイモを最初に栽培したのが始まりです。


 その後、スペインによって、ペルーが制服され、ジャガイモがヨーロッパに持ち運ばれたのです。


 19世紀頃になり、ジャガイモは、ヨーロッパ中で重要な主食野菜となりました。

 なにしろ、安い。数が多く取れる。そして、損傷率が低かったことが理由です。


 アイルランドでは、ジャガイモ無しでは生きていけない時代もありました。


 皮も、たくさん栄養があるんですよ。

 アイルライド人など、飢饉が訪れた時、ジャガイモの皮だけを食べて、生き延びたと言うほどの話です。


 カボチャは根菜類ではないと分かりましたが、それでも、栄養価が高く、多々で、おいしい“野菜”ですよね。


 世界中で愛されている野菜なのに、British(英国人) だけは、カボチャをほとんど食べない人が多い。

 これ、有名な話です。


 アメリカなら、ハロウィンでパンプキンパイがなければ、ハロウィンを終われない。でも、イギリス人は、野菜のデザートを認めない傾向が大。


 それで、野菜なのに、デザート!? ――というような反応で、今まで、パンプキンの使用はほとんどなし。


 今は、その傾向も、大分、落ち着いてきたみたいですけどね。


 中世では、パンプキンは、高価で特別な食物だと、考えられていたからでもあるそうです。

 それで、あまり手にしていなかったとか。


 でも今では、マーケットの需要が多く、イギリスでも、ものすごい量のカボチャの栽培がされ、輸出されています。



 そんなこんなで、ちょっと歴史雑談でした。

~*~~*~~*~~*~~*~~*~~*~




読んでいただきありがとうございました。

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