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夜中俺の家に隣の席の美少女が忍びこんでいました  作者: Rai様
1番手 隣の席の美少女は…
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5.真夜中に現れし美女

 夕食を食べ終わったあと宿題をして風呂に入り、今日することは終えた。

 ベッドの上でゴロゴロしながらテレビを観ていると今人気急上昇中のアイドルの神宮寺花音(じんぐうじかのん)が警察の活躍を紹介する番組のゲストとして出ていた。

 神宮寺花音は俺と同じ高校2年生の16歳だ。

 スラっと胸ぐらいまで伸びた銀色に輝くレイヤーロングにきめた髪。

 スレンダーでよくへそ出しの身軽な衣装を身にまとっておりネットでへそ出しの頂点と言われファンから崇められている。

 確か出身地は俺の実家と同じでアイドルデビューをして人気が出てからは関東方面へ活動拠点を移したらしい。

 自分と同じ出身地だと親近感がわいて応援したくなるものだ。


『花音ちゃん最近気になる事件とかありますか?』

『そういえば最近家に不法侵入して金品を盗む事件が多いですよねー』


 司会の人にふられて神宮寺花音が答えた。

 さっきまでぼけーーーっとしながらテレビを観ていたが不法侵入という言葉が聞こえて「はっ…!?」と意識が覚醒した。

 すると専門家のような人が話し始める。


『鍵を掛けていたら安全だとは思ってはいけません。ほんの少しの工夫と技術を身につけてしまえば鍵なんて簡単に開けてしまいます』


 そう言ったあと専門家の人が実際に鍵を開けて見せると言い始めスタジオに家を再現した道具が持ってこられた。

 さすがに鍵を開けているところは放送されなかったがほんの1分程度で閉ざされたドアの鍵を開けてしまった。

 俺はその様子を観て鳥肌がたった。

 俺の部屋に入った人もこの専門家の人のように簡単に入ってきてしまうのだろうか。

 少し怖いなと思いながらもふと時計を見るとちょうど0時をさしていた。


「そろそろ寝るか…」


 テレビと部屋の明かりを消して布団をかぶった。


   ◇


「眠れない…」


 せっかく頭からあの紙袋のことが離れていたのにテレビのせいでさらに恐怖が盛られて帰ってきた。

 それに手紙の内容も気になり始めてますます眠れなくなってしまった。

 時計を見る。


(もう2時なのか…2時間目を瞑っていても眠れないなんて重症だぞ…)


 全然眠れないためスマホで眠る方法を調べようとしたときだった。


 ガチャガチャ


 と音が聞こえてくる。


(ん…なんの音だ…?)


 俺は疑問に思いながら耳をすます。


(あれ……ちょっと待て…この音俺の部屋のドアからしてね!?)


 割と近くから聞こえるこの音は間違いなく俺の部屋のドアの鍵を開けている音だ。


(嘘だろ!?来るとしてもパンツ送ってきてこんなすぐに来るとは流石に思わないよ!!)


 いや待て落ち着くんだ。

 もしかしたらパンツの人とは違う危ない人かも…いやそれもっと嫌だよ!!あっそうだ…!もしかしたら両隣さんのどちらかが酔っ払って自分の部屋と間違えて鍵を開けようとしているのかもしれない。

 そうだそうに違いない。

 あっ、でも俺の両隣誰も住んでないーーーーー。


 ガチャッ


(ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!!!!)


 明らかに鍵が開いたような音が響いた。

 そしてギーーーーとドアが開く音がする。


(まじか…あっ靴を脱いでる音がする。あっ意外と普通な人…なわけねえだろ俺!!人のパンツ盗んで「おいしかったです」という手紙とともに返してきた変態だぞ!?)


 ドアノブに手をかける音がする。

 とっさに寝たフリをしたがどうやら隣の勉強部屋のほうに入ったらしい。

 俺はベッドから立ち上がり壁に耳をあてる。


[はあ…はあ…はあ…]


 やけに息が荒いように聞こえるが俺の男としての本能が察した。


(これは…ただ疲れたときの息荒れなんかじゃない…興奮しているときの息荒れだ…!!)


 何がとは言わないがちょっと良い動画をみたとき女性がこんな息をしていた…。

 何がとは言わないが。


(しかしこの音は女性だな…完璧にヤバイ人だな…)


 すると勉強部屋から何か引き出しを開ける音がする。


(引き出し…勉強部屋に置いてある引き出しのもの…タンスじゃないか!?)


[スー…ハー…スー…ハー…スー…ハー…スー…ハー…スー…ハー…スー…ハー…]


(いや何回スーハーしてるの!?そして俺の何をスーハーしてるんだ!!)


 ドアが開く音がする。


(やべえこっちくる!?)


 音を立てないよう気をつけながら俺はベットに戻ろうとするが動きを止める。


(違うだろ俺…捕まえると心の中で意気込んでたしゃないか…勇気を振り絞るんだ!!)


 俺は覚悟を決めてドアノブを手をかけためらうことなく開いた。

 するとそこにいたのは1人の少女。

 誰が予想できただろうか…そしてどうしてここにいるんだ。


「なっ…七宮さん…?」

「桜田くん…」


 俺のパンツとTシャツを大事そうに抱きしめていた七宮さんがそこにいた。


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