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夜中俺の家に隣の席の美少女が忍びこんでいました  作者: Rai様
1番手 隣の席の美少女は…
3/15

3.いかがわしいこと考えていないよ!

8月8日の12時に投稿するつもりだったのに予約投稿はずれてました…

 今日の授業は七宮さんにドキドキさせられることが多かった。

 昨日までは普通に会話していただけなのに今日は付き合ったばかりのカップルのような雰囲気になっていた。

 その様子を見ていたクラスの男子連中からの殺意のこもった視線にビクビクする。

 あの普段真面目そうな顔から見せてくる少し頬が赤くなった小悪魔のギャップの誘惑は俺の理性を壊しにかかっていた。

 授業中に自分に向けられていなくても急に倒れだす男子もいるぐらいだ。

 しかし俺はそこらの狼のように襲いはしない。

 桜田伊月は紳士でなくてはいけない。


「HRは以上だ。解散」


 そう先生は言い残し教室を出て行った。

 厳しい先生がいなくなり教室が活気で溢れる。

 そしてみんな急いで部活へと向かっていく。

 どの部活も総体が近いため気合が入っているのだ。

 神崎高校はスポーツ推薦があるくらいで部活動が県内でもトップクラスのため、野球部は甲子園出場の常連、運動部はほとんど全国に出場している高校だ。

 みんなそれぞれプライドやプロチームにスカウトされたいというような意気込みで結果を残そうと頑張っている。

 しかし俺は帰宅部なのであとは帰宅するだけだ。

 俺以外のクラスメイトは部活に入っているため教室はだんだんと人気がなくなりつつある。

 俺は急ぐ必要もないためゆっくり荷物の整理をする。


「じーーーーーっ」


 そういえばまだ1人残っていた。


「……七宮さん部活行かなくてもいいの?」


 ずっと向けられていた視線に耐えきれず俺は七宮さんに尋ねる。


「文化部だから大会もないし急ぐ必要ないかなーって」

「家庭科部って大会じゃなくても展覧会とかはないの?」

「えっ…わたしの部活覚えててくれたの?1年生のときは同じクラスじゃなかったのに」


 驚いた様子の七宮さん。そりゃあ知っていますとも。

 クラスは違っても同じクラスの男子が七宮さんのことについて毎日欠かさず話しをしていた。

 その話していた内容の1つが七宮さんの嫁力だ。

 家庭科部は料理や手芸をするのが主な活動内容、そして文化祭のときには実際に手芸で作ったものを販売したり、料理を振る舞ったりして部費を稼いでいる。

 手芸の方は七宮さんの作ったものは販売開始とほぼ同時に売り切れた。

 料理の方では部の出し物としてレストランを開いていた教室の前に長蛇の列ができていた。

 七宮さん自身の人気もあるがどちらもデザイナーやシェフプロ顔負けの実力を持っていた。

 そのため生徒会の先輩の手伝いをしていた時に資料を見たのだが、運動部に力を入れている学校のはずなのに家庭科部の部の予算は運動部の平均予算の3倍以上所持している。

 容姿、性格が共に良く、文武両道で料理や手芸もできる。

 そんな完璧な七宮さんと付き合う…いや…結婚したいという男子は多くいた。


「そりゃあ七宮さんは有名だからね」

「えっわたしって何て言われてるの!?」


 まさか本人が自分のことを有名だと気づいてないとは。

 これだけみんなに言われているのに。


「かわいいなって」


 すると七宮さんは顔を赤くし少しモジモジとし始めた。

 こういう少しの恥じらいの行動だけでこうも可愛く見えてしまうのか。

 七宮さんを世界中の人が見てたらもう争いなんて起こらないのでは?と思ってしまった。


「桜田くんもわたしのこと…かわいいって思う?」


 上目遣いからのこのセリフは俺の胸をまたドキドキさせられる。


「お、俺も思ってるよ」


 恥ずかしながらも俺も本心を言う。

 しかしそんな俺よりも目の前で恥ずかしがっている七宮さん。

 そんな態度されたら思春期男子は一発で勘違いしてしまいそうになる。


「わたしに興味があったりする?」


 つい七宮さんを見ているのが恥ずかしくなって下にうつむいていたが無理やりにでも俺の視界に入ってくる。

 世界史の授業の時とは違い椅子という2人を分ける境目がないためより近くなり俺に身体を預けるように寄り添ってくる。

 柔らかい七宮さんの胸が俺の身体に当たっている。

 え…ちょ、え!?胸あたってるよ!?


 (今日の七宮さんどうしたんだ!?なんか大胆というか…何かあったのか?)


 年齢=彼女のいない歴で童貞の俺には刺激が強すぎるっ…!


「きょ、興味は確かにあるけど決していかがわしいことなんか考えてないよ!!」


 七宮さんに変態と嫌われるのは嫌なので弁明する。

 そう言うと七宮さんはさっきまでの恥ずかしがっている顔から一変、固まってしまった。


「えっ…?」

「えっ…どうしたの?」

「いかがわしいこと考えていないの?」

「う、うん」

「少しも?」

「少しも」


 突然七宮さんは膝から崩れ落ちた。


「七宮さん大丈夫!?」


 まるで魂が抜け落ちたようになった七宮さんはどこか落ち込んでいるように見えたかと思うと突然立ち上がり「桜田くんのばかーーー!」と言いながら走り去ってしまった。


「えっなんで!?」


 いかがわしいことは考えていないと紳士アピールをして安心させるつもりで言ったのに…。

 女子の気持ちはよくわからない。


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