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夜中俺の家に隣の席の美少女が忍びこんでいました  作者: Rai様
1番手 隣の席の美少女は…
2/15

2.何人子どもが欲しい?

「今日の授業はビデオを見てもらいたいと思います」

  

 クラスは「やったー!」「先生最高!」などと喜びの声が上がり踊りだすやつもいる。

 世界史の授業では時々先生がお気に入りのビデオを持ってきて見せてくれる。

 もちろん世界史に関係するものだが普通に授業を受けるよりかは遥かに楽なためみんな嬉しいのだ。

 この時間の間に徹夜の傷を癒すものや宿題をする奴もいる。

 俺も嬉しい。


「見えづらかったら席移動していいから」


 先生のその言葉とともにクラスメイトは一気に動き始めテレビの近くを仲の良い友達と一緒に陣取っている。

「小学生か!」とツッコミたくなるがこういう純粋なところがこのクラスの良いところなのかもしれない。

 近くの人たちが前の方に行ってくれたおかげで良く見えるようになったので動かないでよさそうだ。

 後ろのほうにいるのは俺だけ…そう思っていたが隣の七宮さんは俺と同じで動いていなかった。


「みんな無邪気だね」

「そうだね。七宮さんは前の方に行かなくてもいいの?」

「ここからでも観えるから大丈夫。あっでもこの角度はちょっと見えづらいかも…」


 そう言って七宮さんは俺のほうに席を近づけてきた。

 えっちょっと近くないか…?というかもう椅子が連結してしまってるよっ!?

 足や肩が触れ合うギリギリ。

 女の子特有の匂いと甘い香りが俺の鼻をくすぶる。


「えっちょ七宮さん、反対側とかも空いてるよ…?」

「ううんここがいいの。それとも…ダメ…かな?」


 上目遣いと甘い声、そして子犬のようなつぶらな瞳でみつめられる。

 不覚にも俺はドキッとしてしまう。

 たぶん俺の顔は赤くなってしまっているだろう。


「うん、いいよ」

「ありがとう!」


 嬉しそうにしている七宮さんも少し頬が赤くなっているのが見えた。

  

   ◇


 テレビはオーストリア継承戦争の話となっていた。

 時々七宮さんの太ももや肩が触れ合ってしまいその度に俺は心の中で悲鳴を上げている。

 あとで変態などと罵られないかが怖い。

 だが今はそれより…


「じーーーーっ」


 実際に言ってはないのだがそんな効果音が聞こえてきそうな勢いだ。


「あのー七宮さん、なんでテレビじゃなくて俺を見てるんですか?」

「気のせいだよ桜田くん。わたしはちゃんとテレビを見ているよ?」


 俺が七宮さんの方を見ると俺と目が合う。

  

「やっぱり見てるじゃないですか」

「さっき桜田くんが話しかけたから見ているの」


 勘違いだよ~と言ってはいるが横目で七宮さんの方を見るとずっと俺の顔を見ている。

 だが他に何か言っても俺と七宮さんでは頭脳レベルに差があり論破されてしまいそうなので言い返すのをやめた。


「オーストリア戦争といえばマリア・テレジアだよね」

「うん、そうだね。それに16人も子どもがいる話を初めて聞いたときはびっくしたよ」

「わたしもびっくりしたよー、ちなみに桜田くんは何人子どもが欲しいの?」

 

 急に想像もしていなかった返答をされ俺は咳き込んでしまった。


「きゅ、急だね」

「これは将来にも関わってくるものだよ」


 七宮さんの口からこんなことを言われると思ってもみなかったが真剣な顔をしていたため誤魔化せない。


「えっと…2人かな?」

「ということは最低でも2回は桜田くんと交われる…」

「ごめん聞こえなかった、何て言ったの?」


 急に七宮さんの声が小さくなったためテレビの音でかき消されてしまいうまく聞き取れなかった。


「ううんなんでもないよ。でも10人ぐらいでも良いんじゃないかな?」

「10人!?なかなかの大家族だね…」

「子どもが多いぶん幸せも大きいよ」

「そ、そっかー」


 そのあとも七宮さんと会話をしながらテレビを一緒に観た。

 しかし、時々何か考えごとをしている様子で顔を少し赤くしながら七宮さんがモゾモゾしていたため俺も赤くなりながらもしっかり理性を保たせ、精神を落ち着かせた。

 七宮さんってこういうキャラだったかな…?


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