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夜中俺の家に隣の席の美少女が忍びこんでいました  作者: Rai様
2番手 ツンデレな幼馴染は…
11/15

11.既成事実

「今日の授業もビデオを見てもらいたいと思います」


 クラスは「やったー!」などと喜びの声が上がる。

 世界史の授業では時々先生がお気に入りのビデオを持ってきて見せてくれる。

 もちろん世界史に関係するものだが普通に授業を受けるよりかは遥かに楽だからみんな嬉しいのだ。

 俺は嬉しくない。


「見えづらかったら席動かしていいから」


 先生のその言葉とともにクラスメイトは一気に動き始めテレビの近くを仲の良い友達と一緒に陣取っている。

 「小学生か!」とツッコミたくなるがこういう純粋なところがこのクラスの良いところなのかもしれない。

 近くの人たちが前の方に行ってくれたがテレビを近くで観れることにこしたことはないので俺も席を動かそう。

 俺は立ち上がろうとした時、右腕をがっしりと掴まれた。


「桜田くんどこいくの?」


 犯人はやはり七宮さんだった。

 笑顔ではあるがそれは優しい笑顔ではなくサイコパス的な恐怖の笑顔だ。

 ニコニコとした表情だが瞳に光がない。


「いや~ちょっと前の方に行こうかと…」

「ここからでも十分良く観えるよ?」

「でも近くにこ…ここで大丈夫です」


「近くにこしたことはない」と言おうとしたが腕をさっきまでとは比べものにならないほどの力で掴まれ、抵抗すると死んでしまう未来が見えてしまったため俺は大人しくした。

 ぴえん。


   ◇


「じーーーーーっ」


 今日はテレビなんかまったく目に入ってこない。

 七宮さんは昨日のように席を連結させて、じーーーーーっという効果音が出るほど見つめてくる。

 しかし、今日は昨日とは全く違う。

 クラスメイトや先生がテレビに集中していることをいいことに右腕を両手で組んできている。

 身体と身体が少しでも触れ合うだけでも恥ずかしいのに胸が当たっているとなると脳が焼けてしまいそうだ。

 これでよく分かった。

 七宮さんは学校ではいつも通りになってくれるのではなく誰かが見ていたらいつも通りになるのだ。

 つまり、誰も見ていなかったらこんな事を平気でするのだ。

 美少女にこんなことされるのはとても喜ばしいのだが七宮さんの本性を知った今では恐怖でしかない。


「フー」

「!?」


 いきなり耳に優しく息を吹かれた。

 俺は情けない声をあげそうになってしまったがギリギリで腕を組まれている反対の手で口を押さえた。

 クラスメイトや先生のほうを見るが気づいてないようだ。


「何するの!?」


 俺は小声で七宮さんにツッコミをいれる。

 

「だって…桜田くん全然わたしのこと見てくれないんだもん」


 昨日とは違い顔が近すぎて見るなんて恥ずかしくてできない。

 横に振り向いたら七宮さん以外何も見えないくらい近いのだ。


「もしも誰かにこんなところ見られたらどうするの?」

「その時は…責任…とってね?」

  

 顔を赤くしモジモジしながら上目遣いでそんなこと言われたら思春期の男の子だからいけない妄想をしてしまう。


「というか既成事実をつくりたい」

「いやいやいやダメだよそんなの!?」


 俺の下半身を凝視しながら爆弾発言をする。

 ピュアな子だからそっとしといて!


「今はまだ我慢できてるけど後どのぐらい我慢できるかな…早く桜田くんを襲いたいし、襲われたい…」

「頑張って!我慢して!欲に負けないで!?」

「今のところは桜田くんのパンツのおかげで我慢できてるけど…もし我慢できなくなったら…」


 じゅるりと舌舐めずりをしながら俺を狙う肉食獣の目をしている。

 てかやっぱりパンツ盗ってたな。

 清らかな身体で高校を卒業するには七宮さんに一定のペースで貢ぎ物を用意しないとダメそうだ。

 


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