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夜中俺の家に隣の席の美少女が忍びこんでいました  作者: Rai様
2番手 ツンデレな幼馴染は…
10/15

10.いつも通り?

1000ptありがとうございます!

「………」


 いつもと様子の違う芽衣と靴箱で別れ、俺は今教室のドアの前に立っている。

 靴箱に靴があったのは確認しているため七宮さんが教室にいるのは間違いない。

  

「ふう…参る」


 ガラガラと教室のドアを開けたあと俺は下にうつむきながら席に着いた。

 横を通り過ぎたとき顔は見てないが、やはり七宮さんは席についているということは分かった。

 膝が緊張…はたまた恐怖からかがくがくと震えている。

 サッカー全国大会のPK戦でも震えなかった膝が、隣の席の美少女によって震えている。

 俺は必死に手で膝を抑える。


「おはよう、桜田くん」


 声にびくっとなるも七宮さんの方へ視線を向ける。

  

「お、おはよう、七宮さん…」

「どうしたの元気ないね、熱でもあるのかな…」


 七宮さんは心配そうに俺を見つめる。

 いや…元気がないのは七宮さんのせいですよ?あの5時間前の出来事をお忘れですか?

 どうしたらそんな純粋無垢に俺のことを見れる?


「ちょっとごめんね」

「えっ…」


 俺は今起こっていることに目を疑った。

 七宮さんは俺の前髪を上にすくい上げると俺の額に自分の額をくっつけてきたのだ。

 あと少しでも前に近づけばキスしてしまうほどの距離だ。

 こんな近くに美少女の顔があるため俺は顔が熱くなるのを感じる。


「桜田くんすごい熱いよ?熱なんじゃ…あっ!?ごめん、つい流れでっ…」


 俺が恥ずかしくて顔が赤くなっているのを見て、自分がとんでもないことをしていることに気づいたようで急いで俺との距離をとった。

 七宮さんも俺と同じくらい顔を真っ赤にしている。


「わたしも熱なのかな…」


 ボソッと恥ずかしそうに呟いた。

 そのタイミングでその言葉は反則だ!俺は胸の高鳴りを抑えようと頑張る。

 それと同時にクラスメイトからの痛いほどの視線を感じる。


「み、みた七宮さんと桜田くんが…」

「あの2人って付き合ってるのかな…?」

「七宮さん大胆…」

「桜田殺してやる…」

「なんだ桜田って青春の代表の花の入った名前しやがって…花むしり取って枯田(かれた)にしてやろうか」


 前半のクラスメイトの発言は普通の反応だろうけど後半の発言はただの殺害予告だろ!

 なんだむしり取るって!?俺の髪でもむしり取るつもりか?そして全国の桜田さんと枯田さんに謝れ!


   ◇


 今は朝のHRで先生が諸連絡を行なっている。

 さっきの出来事で分かったがどうやら七宮さんは学校ではいつも通り(?)に接してくれるらしい。

 それは俺にとってはありがたい話だ。

 学校でもあんな感じになってしまったら理性が保てないし、不純異性交遊と判断されて停学…下手すれば退学になってしまう。

  

「んっ…?」


 机に半分に折られた白い紙が置かれた。

 七宮さんの方を向くと俺の方をチラッ、チラッと横目で見ていたので七宮さんからだろう。

  

(えっ…怖いんだけど…)


 前までだったら七宮さんから手紙をもらうと喜びの舞を踊っていたが今は素直に喜べない。

 というか手紙となると…うっ…頭が…。

 あのパンツ感想のせいで手紙恐怖症になってしまっている。

 正直中身は見たくなかったが七宮さんがずっとチラ見してくるため俺は唾を飲み込み、そっと手紙を開く。


『今日弁当?』


 ごく普通のことが書かれていた。

 俺はいつも節約のために昼ご飯はほとんど弁当を作ってきている。

 しかし今日は色々あったため疲れて作る気力が出ず、購買でパンでも買おうとしていた。

 俺は『今日は違うよ』と七宮さんが書いてあった文字の下に書き、七宮さんの机に置いた。

 するとすぐに手紙を手に取り、俺の返答を見てどこか嬉しそうな表情になり子どものように足を振っていた。


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