発見された!
〜インド洋上空〜
ソレは思ったよりも早く見つかった。
「お、見えて来たぞ。ありゃかなりデカイな、、、にしても平べったい。」
操縦席に座る若い男が双眼鏡を覗きながら言った。
「どういうやつだ?俺にも見せろ」
操縦席の隣に座る髪の毛が悲しくなっているもう1人の男が言った。
そう言いながら操縦席の男からひょいと双眼鏡を取り上げてソレを視界に捉える。
「後部にしかない艦橋、、平べったい甲板、、新型の空母か?」
「それなら護衛艦艇が1隻ぐらい着くだろ。大方本国で新型の船でも仕上げたんじゃ?」
「まぁ、、あっち(本国)の作る物は大体奇抜だからなハハハ」
「それもそうだな。まぁこんな議論してもしょうがない、目視できるぐらい近づけばわかるだろ」
若い男は話を打ち切りズレた進路を戻す為操縦桿に手をかけた
そんな鋼鉄のカモメから船を挟んだ向こう側に海中から忍び寄る影があった。
〜伊号第七潜水艦〜
「一体どうなってるんだ?」
艦長の永井宏明中佐は潜望鏡から見えたモノに倒れそうになる程驚いた。
「何かわかりましたか?」水雷長からの質問に言葉に詰まってしまった。
「、、、少し時間をくれ。幸いアイツはこちらに気づいていないようだ」
下を向いた後深呼吸をしてからそう答えた。
そもそもどうしてこんな会話をしている。
事の発端は水上航行中の見張り員からの「輸送船視認!方位200!」との報告からだ。
一昨日は小型だが輸送船を一隻沈め、護衛も見られなかったのでそのまま襲撃行動に移った。
どうやら目標は新型船らしい、不幸なもんだな。
必中を期す為距離三○まで詰める中、航海長からこんな報告が入った。
「目標に日の丸を確認!」
司令塔が急に静かになった。
それもその筈、ここは敵側の商船が行き来するような海域であり戦争中の相手を通すような真似は絶対にしない(らしい)大英帝国の海域だ。
では何故日の丸を掲げた船がこの海域にいるのか。
何故だ。
そんな事を考えている内に急に室内が慌ただしくなった。
「報告します!正面に敵飛行艇!」
不味い、こんな所で見つかったら駆逐艦を呼ばれる。
「急速潜航!深度70だ急げ!」
これでは襲撃どころの話ではない、ならするのは一つ。
「こいつをやり過ごした後、司令部にあの船のことを報告しろ!」
ハイ、放置してすいません。作者です。
またブックマークが増えました。評価してもらえるのはとても嬉しいです