表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
91/260

勝率ゼロパーセント

俺は空高く飛び上がったニコニコおじさんを地表から見つめる。空には黄金色の太陽が昇っている。青空を埋め尽くすほどの光が、惑星を抱きしめる。


空から降り注ぐ光の粒が瞳に入って、少しだけ目が潤んだ。


「俺は空中を駆け上がる」

俺はパワーワードを使い、何も存在しない空中に足をかけて、空に向かって走った。


まっすぐと上に向かって、走っていく。空気の層をいくつも潜り、貫き、弾丸のように空に向かって突き進む。


『バトルルーレットスタート!』


無機質なアナウンスが街を飾る。俺は、水の剣を構え、

『ピロリロリロリロピピピピピ! ピーン! 攻撃力小』

弱い攻撃を放つ。


「何をやっても無駄じゃ! お主は絶対に勝てない」

おじさんは、ガードの姿勢をとる。


『ピロリロリロリロピピピピピ! ピーン! 防御力大』

俺の羽毛のような斬撃がおじさんの肌を撫でる。おじさんは全てのダメージを無効化した。弱いノックバックだけがおじさんを襲う。おじさんはさらに上空に飛ばされる。




地表では、アルトリウスが俺のことを見上げて、

「行けっ!」




「俺は諦めない!」

俺はおじさんを追撃すべく、更に空に向かって走る。地表からは数十メートルほど。


俺は再び剣を構えて、

『ピロリロリロリロピピピピピ! ピーン! 攻撃力中』

上空にいるおじさんに、中くらいの攻撃を放つ。


おじさんは、ガードの姿勢をとる。

『ピロリロリロリロピピピピピ! ピーン! 防御力大』

再びダメージは無効化され、おじさんは上空に弾かれる。


「そんな攻撃何度やってもわしにダメージはない!」



地表では、アリシアが俺のことを見上げて、

「諦めないで! あなたなら勝てる」




「俺は勝つまで攻撃をやめない!」

俺は更に空を駆け上がる。空を蹴って、鳥のように飛翔する。頬を切る風は、刃物のように鋭い。俺は再び剣を構えて、

『ピロリロリロリロピピピピピ! ピーン! 攻撃力大』

強力な攻撃を放つ。


おじさんは、ガードの姿勢をとる。

『ピロリロリロリロピピピピピ! ピーン! 防御力大』

再びダメージは無効化され、おじさんは上空に弾かれる。


「どんな出目の組み合わせでもわしの勝ちじゃ! こうして防御し続ければ、ダイヤモンドリキッドの効果で全てのダメージは完全無効じゃ!」


地表では、アリシアとアルトリウスが、

「「勝てっ!」」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ