表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
84/260

対面


[ニコニコおじさんの家にて]


ケンたちがいなくなった後、

「クククク。馬鹿な奴らめ」

ニコニコおじさんの顔からはいつの間にかニコニコが消えていた。あるのは、仮面のような冷たい無表情だけ。何も顔についていない。仮面など被っていないのに、素顔は能面のようにのっぺらとしている。表情が死んでいるみたいだ。


キッチンの方から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。

「おぎゃああああ」


おじさんはそちらを向いて、

「うるさいな! いつまで泣いているんだよっ!」


「おぎゃあ。おぎゃあ」

だが、赤ちゃんは泣き止まない。


「ガキを泣き止ませられないなら、こっちに連れてこい!」

ひっぱたいて泣き止ませるつもりなのだろうか。


そして、誰かがキッチンの方から赤ちゃんを抱えながらニコニコおじさんの方に向かってくる。

「よし。よし。泣くな」

その人物はニコニコ奥さんではない。


「おぎゃっ。おぎゃ」

赤ちゃんを抱っこしていたのはケンだった。


「ん? ケン殿? 帰ったのでは?」

ニコニコおじさんは顔に表情を慌てて繕った。だがいつもの作り笑いには、もうなんの効果もないだろう。


「いや、俺にきた依頼は殺人鬼を捉えること。俺はまだ本物の殺人鬼を捕まえていない」

ケンは赤ちゃんを揺りかごにそっと置いた。毛布をかけて頭を撫でる。すると、赤ちゃんはピタリと泣き止んだ。


「きゃっ。きゃ」

ケンは赤ちゃんに笑いかけると、ニコニコおじさんの向かいに座った。



そして、ニコニコおじさんの目を見て、

「あんたが本物の殺人鬼だろ?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ