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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
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ニコニコおじさんニッコニコ

[翌朝]

ニコニコおじさんの家の一階のソファーに俺、アル、アリシアが座っている。

「何っ? 殺人鬼が殺されたっ?」


「ああ。すまないケン殿。刑務所内の人間は看守も囚人も全滅だったらしいのじゃ。きっと殺人鬼に恨みを持った誰かの犯行じゃろう」


「相手が殺人鬼だからって、そんな無差別に殺すことあるか? 看守は関係ないだろ!」

俺は怒りに任せてテーブルを右手で叩いた。


「ケン、落ち着け」

「それで、ニコニコおじさん。犯人の検討はついているの?」


「手がかりなしじゃ。証拠も手がかりも目撃証言も何一つないらしいのじゃ」

「くそっっっっっ!」

俺は右手でテーブルを叩いた。大きな音が部屋の中を走る。



その音にびっくりした、赤ちゃんが、

「おぎゃあああああああ」

ニコニコ奥さんは、赤ちゃんが泣き止むようにあやし始めた。


「おー。泣かないで。よしよし」

「あっ! ごめんなさい」


「ケン殿への依頼は、例の殺人鬼を逮捕するところまで、あとはわしら公平の国の民でなんとかする。今回は本当にありがとうございますじゃ」

ニコニコおじさんは、ニッコニコの笑顔を顔に浮かべる。だが、それがなぜか薄っぺらいように感じた。


「さ、そろそろわしらも今日の家が割り当てられますじゃ。そろそろお暇願いますのじゃ」

「煮え切らないけど、どうすることもできないな。あまり力になれなくてごめんなさい」


「いえいえ。殺人鬼を止めてくれただけでも感謝です」


そして、俺たちはニコニコおじさんの家を去った。


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