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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
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運命のルーレット

俺は、最後の力を振り絞って、右腕で殺人鬼に攻撃を仕掛ける。最後のルーレットが回る。

「ニャニャニャ?」


殺人鬼は俺の意図がわからないらしく困惑しつつ、肉切り包丁を引き抜き、反撃に出る。

『『バトルルーレットスタート!』』


『ピロリロリロリロ』

俺は頭の中で勝利への方程式を紐解いた。


ダイヤモンドリキッドを飲んだことによって得た恩恵のうち、大きいものは二つ。


まず、一つ目は、一泊一千万円の竜王の居室だ。そしてゴリラの丸焼きは、一頭でおよそ二千万ほどのはずだ。


人間の人体の値段は、まちまちだが、確かアリシアが腎臓は二千万だと言っていた。肝臓もそこそこの値段がするはず。


今、俺が苦戦しているのは、ダイヤモンドリキッドによる不運状態によるもの。だからこの不運をしっかりと返済すればいい。

だが、俺には、大金になるようなものはない。そこで幸運の対価として、体のパーツをわざと差し出すことにした。全身を切り刻まれ、腎臓と肝臓を壊された。俺が前借りした幸運の正確な総額はわからないが、これでもう運は返し切っただろ。


と言うことは、ここからは運は通常の状態に戻るはずだ。

あとは、俺の攻撃が殺人鬼に届けばいい。


[俺の出目,相手の出目]だとすると、俺が殺人鬼に勝つパターンは下記の、


[大,大][大,中][大,小]

[中,中][中,小]

[小,小]


六パターンだ。このうちのどれかが出れば俺の勝ちだ。


ルーレット云々を抜きにして、元々の戦闘能力はまちがいなく俺が勝っている。相手との出目勝負で引き分け以上なら俺が勝つ。この世界では運で全てが決まる。


そして、現在の戦況では、確率上俺が勝つ。俺が勝つ可能性の方が高いのだ!

『次の攻撃で決着がつきます』

聞いたことのないアナウンスが流れた。きっと決着がつく瞬間だけ特殊な演出になるのだろう。


『ケン様の勝率九十三パーセントです』


「よし! これならいける!」



そして、ルーレットは止まる。


『ピロリロリロリロ』

来い! 来い! 来い! 来い! 来い!


『ピロリロリロリロ』

頼む! 来てくれっ!


『ピロリロ、リロ、リロ』

ここでいい出目を引くしかない!


『リロ、リ、ロリ、ロ』

運よ! 俺を勝たせてくれ!


そして、ルーレットは止まった。



『ピピピピピ! ピーン! 攻撃力小』

俺は、自分の出目を見て絶望した。そして、震える瞳で殺人鬼の出目を見る。



『攻撃力大』


「そんな。終わった」


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