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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
76/260

腎臓

「はあっはあっ。はあっ。ぐっ」

「ふふふふふふふほっほ」

殺人鬼は勝ちを確信して近寄ってきた。


「そう。ゴリラの鳴き声はそんな感じだ。多くの人が勘違いしているがウホッではない。ゴリラの鳴き声は、もっと複雑で奥が深いんだ」


「チューチュー。ニャアニャア。ブヒブヒひひひひ」

「俺がなんで逃げないか不思議に思うか?」

「シャーーーー! シュッ! シュー!」

殺人鬼は蛇の鳴き声を真似しながら、近寄ってくる。


「そんなことどうでも良さそうだな」


そして、お互いに武器を振り上げて、

『『バトルルーレットスタート!』』

『ピロリロリロリロ』

俺と殺人鬼のルーレットが回転する。この場の凄惨な雰囲気と全く調和しないポップな機械音が響く。


「俺がわざと攻撃を食らっているように見えるだろ? その通りだ。俺はお前の攻撃をわざと食らってピンチに陥っている」

『ピロリロ、リロ、リ、ロ』

ルーレットがゆっくりとその回転を緩める。


「今、俺が追い詰められているように見えるだろ? 俺は五体不満足で、お前はほぼ無傷。だけどな、パワーワード使いにとっては、ピンチや瀕死や絶体絶命は、勝利へのただの布石なんだよ」


俺の出目は、

『ピピピピピ! ピーン! 防御力小』

と、最悪のものだった。

俺はまっすぐに殺人鬼の出目を見た。


『攻撃力大』


そして、殺人鬼の容赦のない攻撃が俺の腎臓に深々と突き刺さった。


俺は痛みで気絶寸前になりながら、右腕で水の剣を掴む。


「俺の勝ちだ」



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