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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
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今日のわしの家

その後、ニコニコおじさんの家に着いた。

「さ、ここが今日のわしの家じゃ。どうぞ入ってくだされ」

俺たちは、粗末とも豪華とも言えない、ごく普通の家に案内された。今日“の”わしの家ってどういうことだ?



粗末とも豪華とも言えないごく普通のソファーに座ると、ニコニコおじさんの奥さんがお茶を出してくれた。粗末とも豪華とも言えない普通のお茶だった。奥さんは三十代くらいだろうか? ニコニコおじさんはすごく老けて見えるから、同い年くらいなのだろう。


奥さんは両手で赤ちゃんを抱えていた。生後数ヶ月ってとこだろう。

ニコニコおじさんってパパだったのか。


「それじゃあ早速依頼内容について詳しく聞かせてください!」

ニコニコおじさんは、黙って茶を口に運ぶ。ティーカップを持つその手は、ひどく震えていた。なんだ? 様子が変だ。


俺は隣にいたアルの顔を見た。俺たちは目を見合わせる。

「あなた。何でも屋さんが依頼内容について聞きたいですって!」

奥さんがおじさんに声をかける。


「ん? そうか。そうじゃったな。では、早速依頼について話を進めようかの」

「おじさん大丈夫か?」

「ああ。大丈夫じゃ。最近家計がうまくいっていなくての、ちょっと疲れ気味なんじゃ。まずは依頼料についてからじゃな」


「あの、そのことなんだけど、俺たちこの公平の国で、散々いい思いしたし、罪滅ぼしも兼ねて今回は無料で依頼を請け負うよ」

俺はニコニコおじさんから受け取っていた前払いの報酬を全部返した。これでちょっと罪悪感が減った。


「何! 本当か? それは本当に助かる。でも本当にいいのか?」

「ああ。大丈夫だ! 嘘ついてごめんな! それで、依頼内容なんだけど、殺人鬼を捕まえろって依頼だっけ?」


「そうじゃ。ここ最近、この街では凄惨な殺人事件がいくつも起こっての。その犯人を捕まえて欲しいのじゃ」

「連続殺人事件ってことだな?」

ん? そういえば最初に会った時は、殺人鬼の討伐を依頼していなかったか? 俺の聞き間違いだったかな? まあ討伐でも逮捕でもどっちでもいいだろ。

「そうじゃ」



俺は、事前に殺人鬼のプロファイルについては勉強しておいた。


殺人鬼には秩序型と無秩序型がある。


[秩序型]

高い知能を持っている。

社会的に確立した地位にいる。

非常に計画的な犯行。

異性にモテる。

警察や探偵に追われることを想定しているため、捕まえにくい。


[無秩序型]

知能が低い。

社会的に困窮している。まともな職業についていない。

突発的な犯行。

異性からはモテない。

犯行現場に戻ってきたり、証拠を残したりするため、捕まえやすい。


(上記の特徴は、ただの統計です。あくまでもだいたいこんな感じというだけで、殺人鬼の性格や行動を保証するわけではありません)


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