光の海の中で
[翌朝]
太陽の光が瞼を激しく触る。目を閉じていても感じる太陽光線が、俺のことを眠りから起こした。
「うおっ。まぶっ」
俺が目を開けると、考えられないほど近くに太陽があった。太陽が光をダイレクトに打ち込んでくる。
俺たちの惑星の陰から顔を出す太陽は、俺の瞳をまっすぐ見つめた。
「目が焼けそうだ」
俺は瞳を薄く開きながら、世界で一番美しい朝焼けを眺めた。光のヤイバは夜のカーテンを切り刻む。もう暗闇なんて影も形もない。まるで最初から光しかない世界のようだ。
俺たちは、そんな光の海の中にいた。ベッドを空中に設置して、その中で佇んでいる。
「む? 朝か」
アルが起きた。黄金のように美しい金髪がボッサボサでもっさりしている。寝ぼけた青い瞳が虚ろに前方を見ている。
アリシアはまだ寝ている。
「さ! 飯を食ったらハイデルキアに帰ろう。椅子でできた家もだんだん恋しくなってきた」
「そうだな。っていうか私たちはこの国に何をしにきたんだ? 何か目的があったような気がするのだが」
「はあ? 何を言っているんだよ(笑)! 三人で観光しにきたんだろ(笑)。全く寝ぼけているのか?(呆)」
「そうだったな。楽しい旅だったな。またみんなで来よう!」
アルは朝焼けの中に笑顔を溶かした。瞳に封じ込められた群青色が、光の中で目立っている。
アリシアはまだ寝ている。
俺はアリシアのベッドに行って、アリシアを起こした。
「おーい。そろそろ行くぞー」
「ふわっ?」
そして、俺たちは竜王の居室を後にした。




