遺伝子レベルで大好き!
[二週間後]
前校長が、俺に、
「校長。おしぼりです」
辞職したコック先生が俺に、
「校長。おしぼりです」
いつぞやの不審者が、
「校長。おしぼりじゃ」
「うむ。くるしゅーない」
その時――校長室のドアが勢いよく開いた。バターン!
「た、た、たーいへんだー!」
ドアから入ってきたのは、もえだった。
「どうしたっ?」
「校長先生! 教室で喧嘩です! なんとかして欲しいんだからねっ!」
「わかったチート能力でなんとかする!」
再びドアを開け放ち生徒が校長室に入ってきた。バターン!
「今度はなんだ?」
「他校の生徒がお礼参りにきてます! なんとかしてください!」
「わかったそれもチート能力でなんとかする!」
再びドアを開け放ち生徒が校長室に入ってきた。バターン!
「どうしたっ?」
「生徒が屋上から飛び降りそうです! なんとかしてください!」
「オッケー! 俺がなんとかする、もちろんチート能力で!」
「校長! 天気が悪いです!」「なんとかする」「あいつがいじめてきます!」「俺に任せろ!」「校長、不審者です! やっつけてください!」「オッケー!」「校長! なんか背中が痒いです」「りょ!」「校長! 熱いです!」「り!」
そして、俺は次から次へと迫りくる全ての課題、問題を全てチート能力で片付けた。傷一つつかなかった。俺はモテた。最強のパワーと最高の権力、そして、無限の金とコネ(助けた人からの)。
女の子たちから俺への好感度はマックスだった。どいつもこいつもチョロイン。もはや、知り合う前から俺のことが好き。遺伝子レベルで俺が好き。大好き。
そして俺は全てを受け入れた。




