大したことありませんね
[ケンのステータス]
攻撃 999999999999999999999
防御 同上
回避 同上
知能 同上
精神 同上
スピード 同上
運 同上
魅力 同上
聴力 同上
視力 同上
顔面偏差値 同上
優しさ 同上
モテ度 同上
身長 二百センチ
体型 引き締まった筋肉質
腹筋 割れ
まぶた 二重
鼻 高い
口 臭くない
声 イケボ
足 長い
落ちている財布を見つけたら 交番に届ける
困っているおばあちゃんがいたら おんぶ
落ちているゴミ 拾う
年収 9京円
貯金 無限
趣味 募金、献血、寄付、ボランティア、人助け
俺は、
「フンッ!」
驚く雑魚共に格の違いを見せつけた。
「「「「「ななななななななんじゃこりゃあああああああ」」」」」
群衆どもは目玉をひんむいて驚いている。そして、内心俺もめちゃ驚いていた。
(なんじゃこりゃあああ! チートだろ! やばっ! 9がいっぱい並んでいる!
ってか全部同上だな。全部のステータスが完璧ってことなんだろうけど。
ジャロが三千とかだったのに、ゲームバランスぶっ壊れてんだろ!
っていうか最後の方めっちゃ盛っているだろ! 身長二百センチもねーよ! 嘘書くんじゃねーよ!)
「こ、これはなんですかケン様?」
「ケン様はやめてください。ただのケンでいいですよ(ニコッ)」
「全部のステータスが完璧じゃと! 信じられない。うん」
「すごすぎるわ!」「こんなのありえない」「初めて見たわ!」「すごすぎ」「かっこいい!」「惚れたわ!」「最高!」「トレビアーン!」
「これでもまだ奴隷を手放さないおつもりですか?」
「ぐぬぬ。こうなったら属性魔法を使ってやる! これならステータスは関係ない!」
ジャロは、空中に火の玉を精製。こちらに向かってゆっくりと投げつけてきた。まるで片手で受け止めろと言わんばかりのスピードだ。
俺はそれを片手で受け止めた。火の玉はブスブスと音を立てながら消えた。
「大したことありませんね」
「今度は水魔法じゃ!」
ジャロは水を空気中で球体にして、こちらに飛ばしてきた。空中を滑る矢のように速い……ということはなくすごく遅い。片手で軽くあしらえということなのだろう。
俺は今度もそれを片手で払った。
「大したことありませんね」
「何を〜! こうなったら全属性を同時にぶつけてやるのじゃ! うん!」
ジャロは炎、水、風、土、雷、光、闇の玉を産み出し、俺に向かって投げつけてきた。
そして、俺はそれを全て片手で弾き返した。
炎を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
水を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
風を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
土を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
雷を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
光を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
闇を弾く――ぺしっ!「大したことありませんね」
ジャロの攻撃はマジで大したことがなかった。俺はジャロに向かって、
「大したことありませんね」
決め台詞のようなものを言った。かっこいい……のか? これは?
ジャロは、
「我輩が大したことないと言いたいのかっ?」
(だからさっきからずっとそう言っているだろ!)
「大したこと……ないですね!」
(俺もしつけー!)
大したことありませんね




