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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第五巻 LGBTの世界
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本当の依頼人

「このレストランは“みんなのレストラン”。ここで、性差別することは御法度でしゅよ」

おかまはただの少数派。間違っているわけではない。


「そ、そうだよな。俺が間違っていました。おかまさんだからって偏見でしたね。ごめんなさい。それに、別に僕をとって食おうってわけじゃないんですよね?」

その瞬間――おかまさんたちは一斉に俺の顔を見て黙り込んだ。


(図星なのかよっ!)


「えっ? なんで皆さん黙り込むんですか? 怖いから何か言ってくださいよ!」


黙り込むおかまたち。


「僕をとって食おうってわけじゃないんですよね? そうですよね?」


おかまたちは俺の顔を食い入るように見ている。一言も発さずに、ただ黙って無表情のまま見てくる。


「アリシア? この人たち俺をとって食う気なのかな?」


アリシアは何も答えない。ただじっと俺の目を食い入るようにして見つめてくる。

見開かれたアリシアの目は恐怖を煽る。


なんでこいつも同調してんだよっ! つーかマジで怖いからやめてくんない?


「ゴリアテ? この人たちさっきからなんで黙って俺の顔見てくるの? みんな目が血走っていて怖いんだけど」


「みんな! ケンにいたんに何にもしないでちゅよね? そうでしゅよね?」

だが――おかまたちは一言も発さない。ただただ食い入るように俺の顔を見る。


「みんなっ! ここでケンおにいたんをとって食ったら、またおかまに対する偏見が増長しちゃうでしゅ!」

その一言でおかまたちは我に帰った。


「そ、そうだったわね」「ちょっとうっかりしちゃった」「怖がらしてごめんねえ」





[しばらく後]

おかまたちの嵐が過ぎ去ってから、本題に入った。

「それで依頼の内容は、確か人探しだったな?」


「そうでしゅ!」

「具体的には誰を探して欲しいんだ?」

「知りましぇん」


「は? どういうこと?」

「依頼を出したのはあたちじゃないんでしゅよ。

あたちはただの橋渡し役。ケンお兄ちゃんと喋ったことがあるから仲介しただけでちゅ。

今から本当の依頼人を連れてくるでしゅね」


ゴリアテは依頼人を連れてきた。


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