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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第五巻 LGBTの世界
175/260

おかまの海


俺は無我夢中で筋肉をかき分ける。だが跳ね除けても跳ね除けても、別のおかまさんが割り込んでくる。

(おかまの海で溺死しちまう!)

筋肉の絨毯は熱い。そして、ちょっと汗臭い。まるでミキサーの中に体を突っ込まれたみたいだ。


このままじゃ死ぬ!

俺は死を覚悟した。だが、俺はこんなところで死ぬわけにはいかない。俺が死んだらハイでルキアはどうなる? こんなところで諦めちゃダメだ!


(変身解除!)

俺が心の中で叫ぶと、

ポンッ!

という音とともに、人間の姿に戻った。


ドラゴンナイトから普通の人間に戻った。

すると――おかまさんたちの群れに穴が空いた。急激に収縮した体積により、海に亀裂が走ったのだ。


「今だ!」

俺は筋肉の林の中から、外の世界に飛び出した。


背後からは、

「うわっ!」「きゃっ!」「痛い!」「何っ?」「ぐはっ!」「ごるあ!」「おるあ!」

おかまさんたちが一斉に地面に突っ伏した。


そして、アリシアとゴリアテを連れて一目散に逃げ出した。

「逃げるぞ!」

あんなやばい筋肉マンたちと付き合っていたら命がいくつあっても足りない。


依頼どころの騒ぎじゃない。


俺は周囲を舐めるように視線で探った。どこか落ち着けそうな場所。おかまさんたちから隠れられる場所。どこかないか?




そして、一軒のレストランを見つけた。

「アリシア。ゴリさん! あそこに退避だ! いったん身を隠そう!」

「なんででしゅか? 別にとって食われたりしないでしゅよ!」

「そーよ。そーよ! それに、さっき物凄く楽しそうだったわ!」

「どこがだよっ!」



そして、命辛々レストランに逃げ込んだ。そこには別のおかまが待っていた。

「きゃあ。ケンくんっていうのね!」「可愛らしい名前ね」「そんなに怖がらないでよ!」「ちわわみたいに震えちゃって!」「かーわいいっ!」「冷や汗が床にまで垂れているわよ!」「唇が紫色になっちゃっているわ!」「顔から血の気がひいて水死体みたいになっているわよ! どうしたの?」


(おめーらのせいだよっ!)

と思ったが、怖すぎて何も言えない。


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