表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第四巻 竜の世界
162/260

人質は


俺はいくつかの臓器を壊しながら先代竜王を貫いた。


そして、激しい炸裂音とともに、先代の竜王は胸から血を流して倒れた。


この世界では力こそが全て。そして、今この瞬間、俺は先代の竜王を超えた。

敵は最強の第三形態。俺はまだ弱い第二形態のままだった。


もし諦めていたら確実に負けていた。だけど諦めなかったから勝てる“かも”しれなかったのだ。




勝てる“かも”しれない。そんなただの希望的観測は、現実になった。




先代の竜王は胸に大きな穴を開けて、悶えている。

「ぐわーあああ! いてえええー!」、「くそっ! くそったれがあ!」

先代の竜王は最後の力を振り絞って、俺に攻撃し始めた。


巨大な体で俺を押しつぶそうとする。体から生えた戦艦を千切っては投げつける。

皮膚から突き出た重火器から雨のようにミサイルが撃ち込まれる。

隕石のようなパンチが降り注ぐ。

あちこちから剣が突き出た尻尾で薙ぎ払う。


さっきまでは先代の竜王に傷一つつけられなかった。だけど今度は、さっきと逆の結果になった。



それらすべての攻撃では、俺に傷一つつけることすらできなかった。代わりに先代竜王の体が傷ついた。先代竜王は自分の攻撃でダメージを食らっているのだ。


「もう諦めろ。お前は弱い」

俺は冷静に言い放つ。


先代の竜王はなおも攻撃を止めようとしない。

「くそっ! くそっ! くそっ!」、「俺は竜王だ! お前ごとき虫けらに負けることなど許されないっ!」


「この世界では力こそがすべてだ!」

俺は水を軽く先代の竜王にかけた。すると、先代の竜王は吹き飛ばされて地面を無様に転がった。

圧倒的な力の差が、物理法則を無視する。



「クソがああ! こんな雑魚に負けるために一千年も修行したんじゃねーよ!」、「こんなところでまた死んでたまるかあ! もうあれしかない! こうなったら奥の手だー!」

先代の竜王は、ゾッとするような笑みを浮かべた。



「何っ? 奥の手だと?」

「お前は愛や友情がゴミ以下だとは思はないんだよな? さっき言っていたもんな!」、「なら、“人質をとっているこちら”にもう手出しができないってことだな?」


先代の竜王は卑怯者らしく、懐から人質を取り出した。きっと竜王との戦闘に備えて隠していたんだろう。

人質は――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ