助け
[一方その頃 竜王の祭壇にて]
「断る」
竜王は呆れたように言った。
「なんでよっ? あなたの力なら先代の竜王にも勝てるでしょ?」
「なんであたちがケンの手助けをしないといけないのよ?」
「だって、そうしないとケンが殺されちゃう」
「私からも頼みます。竜王様どうかお力添えを!」
「ダメだ。あいつはあたちの家族でも何でもない。今日会ったばかりだ。家族のピンチならまだしも、あいつのピンチ程度でこの竜王は動かない。ケンが死んだのならそれはケンのせいよ」
「そんな! ひどい」
「それがこの世界のルールだ。愛や友情はゴミ以下だ。ケンが負けるのならケンが弱いせいだ」
「だからって見殺しにすることないだろ!」
アルは語気を強めた。
「聞き分けのないやつらめ! あたちは自分のピンチに他人の力をあてにするやつなんて嫌いだ。
あたちがケンを気に入ったのは、あたちに対して勝つ気でいたからだ!
自分の力を信じられない雑魚なんていつでもどこででも死んでいい!」
[ケン視点]
頭の中に現竜王とアル、アリシアのやりとりが浮かんだ。
竜王は助けに来ない。それどころかアルとアリシアですらこっちに向かってきていない。
助けは来ない。
「ん? どうした?」、「“見えないはずの映像”でも見えたのか?」
「ああ。助けは来ないみたいだ」
力量は圧倒的、状況は絶望的。
「なら。いい加減諦めろ」、「もう死ね」
「断る!」
俺は“助けはこないという事実”で腹を括った。こうなったら一か八かだ。むざむざ殺されるくらいなら最後まで抵抗してやる!
俺は地面を蹴って、助走を始める。よろよろの翼で空を掻いて加速する。
俺は足を地面から離した。体は空を切っていく。まっすぐに先代竜王の心臓めがけて、光のごとく進む。
「さっきと同じ攻撃か?」、「何度やっても無駄だ」
ありがとうございまーーーーーーーーーーーーーす! 作家を目指し始めて、17ヶ月たちました!
全部で170万字ほど打ってついに、先日初めてブックマークが十人、つまり二桁に到達しました!
次は20人を目指します!
っていうコメントを描こうと思っていたら今日19人まで増えていました!
いつも読んでいただき本当にありがとうございました。
読んでいただくことよりも嬉しいことはないです。
何があっても絶対に書き続けるので応援よろしくお願いします! 次は、ブックマーク30人目指します!




