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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第四巻 竜の世界
154/260

父親


そして、

「俺はまだ負けてねえぞぉ! 俺は竜王を殺すまで諦めない! 俺は何があっても絶対に諦めたりしない! ぜっったいに俺が次の竜王になるんだ!」

『パワーワードを感知しました。エディフィスドラゴンの能力が大幅に上がります』


アナウンスは続けて、

『エディフィスドラゴン様のパワーが上がりました。これより竜状態の第三段階に移行します。

第三段階まで到達できたのは、あなたで五人目です。次の段階を目指して頑張ってください』


「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! どうやら勝つのは俺のようだな! 親父! 俺に力を貸してくれ! 俺があんたの仇を取る! この世界では力が全てだ!」

思えばこいつは卑怯な手ばかりを使っていた。あれは父親譲りの戦術だったのだ。


武器の竜。いやエディフィスドラゴンの両手、両翼が取れた痛々しい体がモコモコと胎動を始める。きっと山脈のように巨大な竜に変身するんだ。


「さあ! 皆殺しだ! この世界では殺人は罪にならない! だから俺は泣き寝入りだった! あいつはクソみたいな親父だった! だけど俺にとってはたった一人の父親なんだよ!」

こいつの父親は竜王に殺された人物だ。竜王に直接殺された人物は少ないはず。ほとんどの場合降伏するか、パワーワード予知で死を回避するはず。



誰だ? 誰が父親なんだ? 竜王との決闘を回避できない立場にいた人物があいつの父親だ。考えろ! 誰だ? 俺はそいつを知っているはずだ!


「子竜を誘拐していたのは、人質にして竜王に勝つためだったんだがな! この力があれば親父が直接リベンジできそうだぜ! ヒャヒャヒャ!」


エディフィスドラゴンの体はむくむく膨れ上がる。膨張し体積を何倍にも膨れ上がらせる。まるで一つの山脈のように巨大になった。


山脈からは巨大な武器や戦艦が生えている。戦車や大砲が鱗のようにびっしりと並んでいる。


そして、エディフィスドラゴンの父親は完全に憑依を成功させた。


「よくやったぞ! 我が息子よ! これで積年の恨みを晴らせる! 俺が元の時代を再建してやる! 逆らう奴はかつてと同じように皆殺しだ!」


俺は山脈のような巨竜を見上げた。俺はこの巨竜を見たことなどない。会ったこともない。


だが視神経を通して伝わる圧力と、無限大のパワーがこいつが誰なのか俺に教えた。

俺は巨竜に向かって、

「お前の父親は――


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