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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第四巻 竜の世界
150/260

本番


俺は自分の姿を見た。そこにはワイバーンなどいなかった。


二本足で直立する人型の巨竜がいる。

両腕は幹のように太く強靭。

体躯は戦車のように大きい。

尻尾は長くしなやか。

翼はさらに大きくなり空も包んでしまえそうだ。

頭から生えた二本の角は芸術作品のように美しい。


この世界で会ったどのドラゴンナイト(竜人)よりも大きくて強い。


鱗は真っ黒で、光を吸収している。地べたのクリスタルに映る瞳も漆のように黒く輝く。

だけど、それが炎のように熱くたぎっているように見えた。


『ケン様のパワーが上がりました。これより竜状態の第二段階に移行します。第二段階まで到達できたのは、あなたで十四万五千三百二十三人目です。次の段階を目指して頑張ってください』


謎のアナウンスが流れた。パワーワードによって力が上がる時とよく似ている。俺は地面に転がっているクリスタルを一個掴んで右手で砕いてみた。


爆弾が爆発するような音と共にクリスタルは飛び散った。握力は以前の比にならないくらい強くなっている。



俺は爬虫類の瞳で敵を見据えた。眼光が光のように真っ直ぐ敵に進み、ぶつかる。


俺は地面を蹴った。瞬間、敵の目の前に移動した。速すぎてワープしたみたいだ。


右腕に渾身の力を込める。全身全霊のパワーを拳に流し込む。あまりの腕力に少しだけ空間が歪んだ。まるで夏場のアスファルトの上のように、陽炎がゆらめく。


そして、

「うおおおおおお!」

右手で武器の塊を殴り飛ばした。


鋼に鋼がぶつかるような重く暗い音が炸裂した。爆発音とともに、敵が吹っ飛ぶ。

「ぐわあああ」

敵は、地面を水切り石のように何回もバウンドして、やがて止まった。敵の自慢の砲口は少しゆがんでブサイクになった。


「くそっ! 弱いくせに粋がりやがって! ヒャヒャヒャ! タダで死ねると思うなよ!」

敵は敵意と怒りで我を忘れている。


敵は第二形態。俺も第二形態。ここからが戦闘の本番だ。


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