歴史の分岐点・創造主様ではありません
第二章 歴史の分岐点
創造主様とは、先ほどのドラゴンナイトが言うには、この世界を作り上げた人物。神話の人物だが実在したらしい。
竜王を直々に鍛えた人で、その強さは未知数。
俺とはなんの縁もゆかりもない人物だ。
竜王は目を大きく見開いて、まっすぐ俺のことを見る。そして、はっきりとこの俺に、
「創造主様?」
震える声で俺をそう呼んだ。
第三章 創造主様ではありません
「創造主様?」
竜王は確かに俺をそう呼んだ。
「創造主? 何の話ですか? 俺はハイデルキアのケンです」
竜王はじっと俺の顔を見て、しばらく沈黙した。
(どういうことだ? なんで竜王は俺と創造主を見間違えた? 俺と創造主って奴は顔が似ているのか?)
そして、竜王は、
「いや、ごめんなさい。他人の空似だったみたい」
人違いだと理解すると、にっこりと笑ってから話を元に戻した。
「なら改めて言わせてもらうね! それでおにーちゃん。あたちに何の用? 遥々ハイデルキアからここに来たんだ。
何か大事な用があるんでしょう? 話を聞かせてもらうわ。
でも、もしも興味のわかない話だったり、取るに足らないつまらない用件だったら……その時は…………………殺すよ?」
空気が裂ける。ぞっとするほどの悪寒が俺の背筋に口づけをした。恐怖が、冷たく青い舌で俺の背中をチロチロと舐める。肌に鳥肌が立ち、心臓が恐怖にぐるぐるに締め付けられる。
俺の背中を味わうように、ペロペロと舌で舐め回す。吐き気を催すような感覚は、俺に死期が近寄ってきていることを伝えた。
間違いなく、次の台詞でとちったら俺は殺される。




