リュウグウノツカイ兼リュウ
「ねえ! 今度はあれを見て!」
嬉しそうなアリシア。
「あれってリュウグウノツカイか?」
「リュウグウノツカイって竜なのか? 魚だよな?」
「たしか竜宮に住む竜王に使える魚よ!」
なんでそんなこと知っているんだ?
「でもなんでリュウグウノツカイがいるんだ?」
俺はリュウグウノツカイをもっとまじまじと見た。よく見ると小さな羽が生えている。
「リュウグウノツカイの竜なんじゃないか?」
「「えっ?」」
「こんなところに魚がいるはずないだろ! ならあれは竜だ! ちっちゃい翼も生えているし!」
「リュウグウノツカイって竜に仕えているんじゃないのか? そのリュウグウノツカイが竜? なんか矛盾していないか?」
「その通り! こいつはパワーワード版のリュウグウノツカイだ。自分自身が竜だから自分に仕えているんだ!」
「どういうことよ? 馬鹿にもわかりやすく説明なさい!」
「例えば、誰かに仕える時は、目上の人に目下の人が仕えるだろ? だけどこいつは一人二役を演じているんだ! 竜イコールリュウグウノツカイ。つまり、家来イコール殿様。上司イコール部下だ!」
「「なるほど。わからん」」
「まあ、いいや。とにかく矛盾を孕んだ魚兼竜ってことだ!」
そのほかにも、浮世絵っぽい和風の緑竜、機械の竜、一つ目の竜、ゴリラでできた竜、竜人、猫竜、エイリアンドラゴン、植物竜、エラーカードのドラゴン、普通のドラゴン(なんで普通のがいるんだよ! おかしいだろ!)とかいろんな竜がいた。