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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第四巻 竜の世界
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映像の意味

「竜王?」

「ああ。私たちが公平の国で宿泊した“竜王の居室”を生み出した張本人だ」


「は? 竜なんて本当にいるのか?」

てっきりおとぎ話の中だけの話だと思っていた。俺は豆鉄砲を食らったような顔になった。


「当然でしょ!」

「当たり前わんわん」

「当たり前だろ!」


「そ、そうなんだ。でも何で竜王の映像なんて見せたんだろうな?」


「パワーワード予知は、嫌な出来事を見せることが大半だが、未来を変えるためのヒントを見せてくれることもある。“竜王がハイデルキアを攻めてくること”は、絶対ないから竜王と共闘しろってことなんじゃないだろうか?」


「何でハイデルキアを攻めてこないの? ガルルル」

「私たちがいるこのオオカミ大陸では、国同士の戦争が禁止されている。かつて領土を奪い合いたくさん血が流れたからな」

アルは真面目な顔になった。眉毛の角度が鋭角に変わり、雰囲気を変えた。


「なら竜王は味方になるってことね!」

「そうと決まったわけではないが、その可能性が最も高いだろう」


「じゃあ。ケン、あなた竜王と同盟を結んできなさいな!」

「は? 何で俺? 俺にそんな権限ないんだけど。アルはこの国の姫だろ? 同盟とか結べないの?」

何でアリシアは全部俺一人にやらせようとするんだ?


「王様から権限を貰えば可能だろうな」

「王様っていうとお前の父親だな」

アルは父親に破門されている。


「ならアリシアの言う通り俺が行って権限をもらってくるよ」

「私も行こう」



「何でだよっ? アルは王様に破門されているから行きにくいだろうなと思っての俺の発言を返せよ!」

俺は再びは豆鉄砲を食らったような顔になった。豆鉄砲を食らってばっかりだ。



「王宮への立ち入り禁止を食らったのはお前もだろう!」

「二人とも喧嘩しないの! 仲良く行って来なさいな!」

と、アリシア。いや、お前が行けよ。


「ケンとアル姉ちゃんは仲がいいね! ガルガル」

ウルフはぴょんぴょん跳ねながら言った。


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