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この小説は絶対に読まないでください 〜パワーワード〜  作者: 大和田大和
第三巻 公平の世界
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俺様は両親に虐待をし始めた。両親にされたことを全く同じようにやり返した。罵り、存在を否定して、人格を否定する。さも価値がないかのように罵詈雑言を浴びせた。タバコを押し付け、風呂の水で溺れさせた。


全てのルーレットは俺にいい出目をくれた。


俺を助けてくれるような出目は一度も出なかったのに、両親を虐待するときだけは、最高の出目が出続けた。


きっとパワーワードが俺に味方をしてくれたんだ。


最初のうちは激しく抵抗していた。だが、次第に抵抗する気も失せたのだろう。両親は俺様の言いなりになった。


もう何が不幸で幸運なのかわからなくなってきた。両親を虐待することは、幸運なことなのか、不幸なのことなのか。


自分の身を守ることができた、という点では、幸運なことだろう。

だが、真っ当な家庭を知らないことは不幸でもある。


幸運と不幸は表裏一体。ほとんど同義だった。捉え方一つでどうとでもなる。


俺様は幸運の星の元に生まれたのかもしれない。だが同時に、不幸の星の元に生まれたのかもしれない。


運よく才能があるから、“不幸な出来事(虐待)”が起こった。


“不幸な出来事(虐待)”が起こったから、パワーワードによって都合のいい出目しか出なくなった。


俺様の強運は、この国では最強だ。絶対に誰にも負けない。俺様一人よりこの国全体の方が弱い。


俺様は価値のないゴミではない。

虐待されるために生まれてきたんじゃない。

虐げられるために生まれてきたんじゃない。

いじめられるために生まれてきたんじゃない。

傷つけられるために生まれてきたんじゃない。


俺様は殺人鬼。人を殺すために生まれてきた。


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