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4話 様子を見に行ったら人間だった。

今回は、クロン視点です。

今日はこの辺の魔力の流れが心なしかおかしい、

そう思って俺、黒鷹のクロンは自宅である洞穴から飛び立った。


「これは何か面倒事に巻き込まれそうだな…ははっ。」


冗談のつもりだった。この時までは。


しばらく飛んでいると、空間が歪んでいるかのような感覚を覚えた。

魔力の流れが完全にくるっている。とても飛んでいられない。

帰る訳にもいかないので、地面に降りて一度収まるのを待った。

すると、


バチィィィイイイ!!!


空間が魔力の歪みに耐えきれずとうとう張り裂けてしまった。

同時に轟音が鳴り響いた。

裂け方と音から推測するに10キロは離れていない場所だ。

空間はすぐに修復されたので、急いで向かった。


「面倒事に巻き込まれてしまったかなコレは…。」


我ながら見事なフラグ回収だと思う。うん、畜生…。


―――


この辺だったはず…。

そう思い辺りを見回していると、見慣れない“何か”が倒れている。


デビノイド(ヒト型の悪魔)か?いや、ちょっと違うな…?


よく見ると周りの魔力の流れが微妙に悪魔のそれとは違う、


「こいつもしかして人間か!?それならここはマズい!」


この場所は悪魔界の中でも特に魔力の濃い場所だ。他の要因もあるが、とにかく一度家に連れ帰ろう。


人間か…相当なトラブルに巻き込まれてしまったかもしれないな……。

…こいつは意図的に召喚されたのだろうか、歪みに巻き込まれたのだろうか。

なんにしても一度様子見だな。


家の寝床に人間を寝かせ、食料を調達に一度出ることにした。

果物の木がたくさん生えているので、とりあえずそれを与えることにした。食べるかは知らんが…。


変えると人間は目を覚ましていた。


「おう、起きたか」


よかった、多少混乱しているみたいだが元気そうだ。


「えっ…!?カ、カラs「鷹だ。」あっハイ…」


こいつカラスって言いかけやがった。許さん。

…とりあえずこの件は置いておくか、話が進まないし。


お互いに自己紹介を済ませた。

この子の名前は“マヨイ”というらしい、

彼女の反応から察するに、やはり人間のようだ。


やはり混乱しているのか質問を畳みかけられた。


って、やばい泣いてる!ど、どうしよう…慰めないと、そうだ!食事にしよう!少しは落ち着くだろう!


俺はマヨイにこの世界のこと、俺たち悪魔のこと、俺自身は知らないが帰り方を知っていそうな悪魔がいる事を話した。


帰れることに希望を抱いていたようだが、人間が多量の魔力を摂取したせいで、身体が動きにくくなっていることに気づいてしまったようだ。

…普通は死んでると思うんだが。


話を聞いてる限りだと悪魔と契約はしていない、このまま魔力を摂取し続けると死んでしまう、だがそれでは心苦しい。


「………アレをやるしかないのか…」


…俺と契約する、か…


だが、マヨイの意識などを完全に残したまま宿らなくてはならない、

失敗すると遅かれ早かれ二人とも死ぬ…。


「…で、あれってなになに?」


「あーそれは…だな…。」


ここまで世話を焼いたんだ、最後まで見届けてやりたい、腹をくくるか


「マヨイ、俺と契約しろ」


「…へ?今なんと…?」


なんだよその反応…。なので同じことを繰り返して言ってやった。

なんか落ち込んでる。フォローは、入れておくか。


俺はこの方法のメリットである、魔力回路の話、最大のデメリット・リスクであるお互いの死を説明した。


こればっかりは俺の一存で決める訳にはいかない、マヨイには悔いのない選択をしてほしい。


「俺はお前を助けたい、だからあとはマヨイの意思だ。ゆっくり考えてくれ」



魔力の塊がこっちに近づいてきているのが分かった。

つまり、悪魔がこっちに向かってきている事を指している。

この感じはアカオニの奴か…

今あいつをマヨイに合わせるわけにはいかない!

何とかして引き返させないと…!


「俺は少し出掛けてくる、すぐ戻る…」


俺は悟られないようできるだけ自然に飛び出した。

場所は遠くない、がこれ以上近づかれると厄介だ。

一話に収まるつもりが、思ったより量ができました。

ので、もう一話に分けます。

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