3話 洞穴で寝て起きたら修羅場でした。
ササっと書き上げました。
たぶん大丈夫だと思いますが、誤字脱字は見つけたら直します。
「い、今なんと…?」
「契約しろ、マヨイ。」
聞き間違いじゃなかったああああ!やっぱり魂とられるじゃん!
「いや別に強要する気も、魂を取る気もないんだが…実際俺も一か八かの勝負なんだ」
「…と、言うと?」
「契約した俺はマヨイの身体に宿ることができる。すると魔力回路が強制的にマヨイの体内に作られる、それがあると魔力を無害のまま取り込むことができるんだ。」
「うん、それで…?」
「1から作られるんだ、相当な激痛が走るらしい…。それにマヨイの意識を残したままという繊細な契約なんだ、一瞬でも意識が途切れると、契約違反となり俺の身体は消滅する。」
痛みで気絶もアウトか、それ以前に死んでしまうかもしれない。
まず、私はそんな痛みを受けてまで生きたいのか?
自問自答が私の中で止まらない。
「俺はお前を助けたい、だからあとはマヨイの意思だ。…俺は少し出てくる、すぐ戻る…」
「え?う、うん…」
私に一人考える時間を与えたかったのか、クロンは少し出かけて行った。
だが、それならば「すぐ戻る」はおかしい、その事に気づければよかったと、今なら思う。
その頃、実は私の中では答えは決まっていた。答えはイエスだ。彼が私を本気で助けたいと思って、悩んだ末の提案なんだ。
彼は私と本当に真剣に向き合ってくれている。それはこの数時間で十分すぎるほどわかっていた。でも、もし失敗したら、そう考えると選択に自信が持てなくなっていた。
―――――――――
…ドサッ
どうやら寝てしまっていたみたいだ、そんな無機質な音で目が覚めた。
「クロン…?おかえり……!?」
全身から赤い液体を垂らしながら倒れてるクロンの姿があった。
黒い身体の為、直接は視認できないが、周りに広がる液体を見る限り、かなり深い傷を負っている…クロンの元へ行こうとしたが身体は相変わらず言うことを聞いてくれない。
「クロン!?一体何が…はっ!?」
入り口にもう一体、誰かがいるのに気づいた。クロンの仲間…?いや違う!!
目の前に立っていたのは赤肌の大男"アカオニ"
「なるほど人間を隠してやがったか…お前一人だけ魂を喰って強くなろうって魂胆だったわけだ…!」
一体何を言っているんだ?クロンが魂を喰べる?そんなはずないじゃないか。
「や、めろ…マヨイに…手を出すな…!!」
「クロン!動いちゃダメ…!」
「フン!やはりお前は誇り高き黒鷹じゃなくて裏切り者のカラスだって事だ、このアカオニ様が鬼の名においてお前に刑を執行してやるよ!判決はもちろん死刑だがなぁ!!!!」
アカオニは手のひらに魔力を集めて炎を創り出し、クロンに向けて放とうとしていた。
あれはヤバイ、あんな物を受けたらひとたまりもない。
―――助けないと。
火事場の馬鹿力だったんだと思う。動かせないはずの身体を無理やり動かして
とっさに身を挺してクロンを守っていた。
気がつけば全身の至るが火傷をし、血が出ていた。
燃えた大部分が衣服で身体の被害は少なめな事と、熱のせいで傷口はできた瞬間に焼かれたのか出血自体が少ない事は不幸中の幸いだった。
次回、クロン視点でお送りします。