紅と蒼の夜 【紅の秋企画】
くるり ひらり
紅が舞い落ちる
あの遠い秋の蒼い夜
密やかな溜息と絡め合う指と指
蠢くふたつの影
どこまでも透明な蒼い月の光に
照らされながら
"アイシテル"
燃えるように紅いピアスだけ纏って
あなたに堅く抱かれた
あの秋の日の蒼い夜は
くるり ひらり
紅が舞い落ちる
濡れた頬を染める
乾いた秋空を燃やす夕焼けが
落とす影はひとつ
手を伸ばせど高く届かない空
指をするりと抜けて
"アイシテル"
耳の涙型の雫に虚しく閉じ込めた
隣にあなたのいない
冷風が肌撫でる夕は
くるり ひらり
紅が舞い落ちる
くるり ひらり
紅が舞い落ちる
本作は、遥彼方さま主宰「紅の秋」企画参加作品です。
当企画では香月、「紅の涙」「そしてあなたは・・・」に続く三篇目の詩作品となっております。
尚、香月の詩だけでは200文字に足らなかったので、素晴らしい結句の遥さまに書いて頂きました。
遥さま、お読み頂いた方、どうもありがとうございました!