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6.本当に死神でした

 今回は少し過激な表現があります。ご了承ください。

 カツン カツン カツン

 ダンジョンに入って約1時間。扉を見つけ次第突入して行き、目当ての魔道書を探したが一向に見つかる気配はない。

 正直暇すぎる。たとえ本が見つからなかったとしても魔法の練習くらいにはなるはずだった。なるはずだったのだが、襲ってくる魔物はすべて父さんの餌食になってしまった。

 リザードマンや、ブヨブヨしたスライム、ゴブリンなどなどたまに大きめのサイズの魔物も出てきたが、全て出てきた瞬間に首が飛ぶ。鎌の動きを見ようとしたけど、線しか見ない。

 出てくる瞬間には頭がなくなっている光景は、逆に魔物がかわいそうになってくるほどで…。本当に人間かよ。私も言えたことじゃないけどさ。

 【父さん人間じゃない疑惑】について1人議論をしていると、戦闘を終えたのか、当本人がいきなりクルッと振り返り近づいてくる。

 …!?まっ!?ちょっと待って怖い!!血がやばいって!!ストップ!!

「前、交代してみるか?」

 血で濡れた顔で微笑みながらそう言ってくる。…………怖い。

「あ、ハイ」

 取り敢えず目を合わせないように頷きながら水の玉を顔面にむけてぶつけておいた。ダンジョン中ずっとあの顔を見なければいけないのは嫌だったからであって、決して本能的にやったんじゃない。うん。父さんが睨んでるような気がするけどそれも気のせいだ。

 まぁ、なんとか暇からは解放されるかな。

 




ーーーーーーーーーーーー





「ハァ…………」

 うん。なんかもう色々とダメな気がする。私は目の前に広がる地獄絵図に思わずため息をついた。

 事の発端…いや、原因と言えるだろう。それは紛れもなくは私である。魔道書を見つけたいがために、くまなく探索しながら歩いているとトラップのスイッチを踏んでしまったのだ。

 うるさいほどのサイレンが鳴り響き、何処からともなく大量のゴブリンたちが現れる。私の新しい魔法の実験台にでもなってもらおうと思ったその瞬間、私の横を黒い線が横切った。おいコラ、父さんあんたは後ろだろう?

 もちろんそんな心の声が通じることはなく、ゴブリンの首が宙を舞い、鮮血が傷口から吹き出る。瞬く間に1体、また1体と立っているゴブリンの数が減っていく。父さんの顔がチラリと見えたが、すぐに目を逸らした。

 あれは見ちゃダメな奴だ。死神と呼ばれたのもわかる気がする。せっかく洗ってあげた顔には新しい血を付け、笑っていた。それもニッコリじゃなくニタァって感じの笑みである。いつもの無表情フェイスは何処に行った!?あれで十分怖いのにそれ以上怖くしてどうするの…。

 そうして、何もできずに今に至る。床には血の海が広がり、ゴブリンの胴体が山積みになっている。ざっと40くらいだろうか。

「………ハァ。魔法ならもう少し血とか出すことなく綺麗に出来たはずなのになぁ。」

 駆け寄ってきた父さんを睨みつけながらそう呟き、バッグの中からポーションを取り出し渡す。さすがにあの戦闘で怪我の1つや2つや3つや4つ……いや、5つかもしれない。まぁ、多少は傷ついていると思うし必要だろう。

 父さんは素直にそれを受け取り飲み干し、一言

「血の味がする」

「そりゃ顔面血だらけで飲んだら血の味しかしないでしょ…」

 まだ進むみたいだけど、この先不安しかない。魔道書も全く見つかってないし、私の来た意味って一体……。


 さすがの私でも耐えられず盛大にゲロッたのは些細な出来事である。


 お父さんは、剣も使えますがそれ以上に鎌の扱いに長けてる変わり者の騎士ですm(_ _)m

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