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ある少年少女による執筆論議?



「執筆において、気分が高揚することは、大切だ。

 例えば、人の目に晒されたり。

 自分を辛いときに助けてくれた、そんな偉大な作者と同じステージに、作品を投稿する。

 などなど、気分を高揚させれば、自然と筆が乗る、というような現象が起きるからだ。

 逆に、駄作を投稿して、尊敬する作者を侮辱するような、ステージを汚すような行為も、人間ならば快楽にしてしまえる。

 つまりはモラルハザード、ゴミを捨てて、むしろゴミ箱を蹴っ飛ばす、そのような爽快的な悦楽享楽である。」


「くだらないわ」


 そういう事を、親友のシャルに話した、第一声がコレであるが。


「あんたは、下らないゴミだわ、自覚しなさい、後悔して、壊れてしまえばいい。

 ホント、作り直して、私手ずから、再教育してあげたいわ。

 私が目を掛けて上げているあなたが、こんなゴミみたいな奴だなんて、本当に認められない、許せない、我慢がならないから。

 無上の拷問をしてでも、エリクシールに付けて、常に地獄の苦しみを味合わせて、変わらせてあげたいわね」


 最低最悪の存在を見るような、軽蔑しきった声色、ジト目で、言われたのだ。


「ぐぅうっ」


 誰よりも尊敬して敬愛する、金髪碧眼の超絶美少女から、そんな事を言われたら、ぐぅって言ってしまう。


「貴方のしている事は、オナニーと全く一切変わらない、ゴミ屑の所業」


 超絶上から目線で、事実、彼女は天上を突き抜けた、超絶的存在、だろうよ。

 事実いま、リアルタイムで現在進行形で、俺は、見下されてしまっているのだ。

 そうなのだと、事実が重みとなって圧し掛かる、圧し掛かっている今だった、悔やみきって、俺鬱しているのだ。


「今思いついたんだけど、俺鬱って、なんか長いラノベの略したタイトルみたいだよな」


「死ねば?」


 まあ、そういう返しもあるわなって、思った。


「だいたい、あんた」


 てかコイツ、シャル、俺の呼称を、あんたとかあなたとか、重圧を持って畏まって貴方とか、統一しないなと思った。


「此処の、こんな隅に、目立たないように投稿して、なにが狙いか、ちょっと教えて欲しいんだけどぉ?」


 シャルは、タブレットPCを、俺にも見えるように見せ付けて、言う。

 ちなみに、俺とシャルは今、普通にティータイムを楽しんでいる、彼女の家での話だ。

 更にちなみに、馬鹿みたいに豪邸で、馬鹿みたいに広い、クソみたいなシャルの部屋での、それは話なのだった。


「俺は思う、こんなクソみたいに金があるのなら、世界はアップルパイのように救われるのにって。」


「はあぁ?」


「はあ、だろうよ、俺は俺でクソ電波でクソメンヘラ童貞野郎なのだから、突然に意味不明な事くらい言うわな」


「ちょっと、やめてくれないっ? 

 あんたの、その、他人の心に土足で、入り込むような、いやらしい劣等下位者の語り口調」


 キッパリと言われた、俺を殺しそうな勢いで睨まれている、今だ。


「その、それも、深くて深くて、取り返しがつかない、絶対に踏み込まれたくない、心の聖域、

 に、スルリと何の躊躇も無く入り込む、入り込んできそうな、とにかく、いやらしい、さ。」


 俺は思う、お前の上位者の語り口調の方が、無限倍でいやらしいと。

 ちなみに、コイツの今の声は、性的にも凄くいやらしさ溢れてるわけだが、主観だが、おそらく精確に正しいだろうと、思う。

 この今の、シャルの語りを、CDにして夏の有明で売れば、馬鹿売れして大金を稼げるビジョンが、明確に浮かぶのだから、こりゃ正確を期しないわけが無い、わけで。


「ああぁ、最低最悪だわ、毒素にまみれた、貴方の精神が、完全無欠に潔癖なる私の精神を、冒涜的に犯そうと、今まさに侵食しているんだわぁ!」


「なんだか、活き活きと元気に鳴り出して、大変心地良さ気にしているようで、なによりですね」


 俺の言葉に、シャルはしれっと、さっきの演技だったかのように、

 まあ、まさに演技なのだろう、コイツが動じるはずがないのだ、あの程度のアレではな。


「ばぁ~か、当然でしょ、ばぁーか、当たり前、あんたの官能エロエロ毒電波程度で、私が陥落するわけないじゃない」


「何時俺が、そんな電波、おまえに送っていたかどうか、まあともかくだ」


 俺はティーを飲んで、コーヒーだった、飲んで、パソコンの画面に映る話に軌道修正をしようと思う。


「さっきの話だが「馬鹿が、クソ、あんたと居ると調子が狂う」俺の台詞だ、でだな」


 そこでシャルが「あんたに話の主導権握らせるわけ無いでしょ」とか言われたので、とまあ黙るわけで。


「馬鹿、あんたが喋っても、面白くないわけ、わかってんの?」


「知らんがな、だったらもうてめぇーが延々とぐだぐだ、一生喋ってればいいだろが、ホントくたばればいいと思うよ」


「ごめん、これで全てチャラにしなさい、少しでも引きずったら殺す。

 でよ、あんたは、こんな場所に投稿して、どんなカタルシスを感じてるのか、私は興味津々なわけ、答えなさい」


 また言いづらい事をずかずかと、てか、こいつの方がよほど有害な毒電波飛ばしてんだろ、それも犯罪級の罵詈雑言と一緒に。


「別に大層な動機が、あるわけじゃねぇー「へえぇなら死ねばいいんじゃないの?」どうしてそうなるぅ!」


 突っ込まざるを得なかった、この投げやりながらも断言とした口調は、ムカついたのだ。


「あんたはさぁー、馬鹿で無能で低脳で、どうしようもない奴だけど、無駄なことはしないと思っていたのにね」


「はん、馬鹿が、無駄とは言ってないだろうがぁ」


「大層な動機がない、それってさ、イコールで、無駄なことって、あんたは分かってないようね。

 言っておくけど、人間は感動的に生きない間なんて、死んでるのと同義、一緒なんだよ? 馬鹿でも分かる?

 あんたは明確に明瞭な動機が、無いと言った、少なくとも言葉に出来ない、それって、そういうこと、残念でした」


 クソ、が。

 こいつの魂胆は見えた、こういう論調で俺を追い詰めて、恥ずかしい事を赤裸々に言わせて、鼻で笑って、切り捨てる。

 そういう事がしたいだけの、最低な論法だ。


「ほら、さっさと、あんたがひた隠しにしてる、真実の言葉を、私に全部曝け出しなさい、曝け出して、いいのよぉ?」


 勝ち誇った、ドヤ顔。

 ぶっ飛ばしてやりたいが、あたら超絶美少女過ぎて、神の娘のようなコイツのこと、神聖すぎて躊躇われる。


「ちぃくそ。

 不細工だったら、百回転生しても魂を蝕む呪いを掛けて、永遠に輪廻の輪から外した上で地獄に落としている所だぜ」


 ふっ、と、コイツ、シャルはせせら笑う。


「馬鹿ね、そんな事には、絶対にならないから。

 貴方は、世界の真理真髄を、今だに理解してるかどうか不安ね、そんなようだから、私が改めて教育してあげる」


 つんと、鼻を押されて、宣言される。


「可愛いは絶対正義で、美しさは絶対の価値。

 つまり、私が至高で至宝の絶対存在、世界に意味を与えるのは唯一無二、この私という話なのね」


 なのねじゃねーぞ、馬鹿がアホが。


「ふん、超絶的なる美少女である私は、世界で一番偉いって話なのよね」


 なのよねでもねーぞ、馬鹿がアホが屑が。


「おいコラ、恍惚で一人切な刹那トリップしてんじゃねぇぞぉコラコラコラ」


 天空を振り仰いで、何か照らされている、ようなポーズとっている奴、こちらにクルッと目を向ける。


「あら? まだ居たの? 消えてくれないかしら? 

 凡人は、世界に、というより私の周りに居ないでくれる?

 私を含めた、世界の価値が低くなる、むしろ薄まって害悪よね?」


 たっぷり見下し口調を垂れ流し、手をすっと、意味も無げに投げ出す。


「で? 世界に対してマイナス価値が、その自覚を持って、

 世界を支える、森羅万象全部に、意味を与えるような神的存在である、

 創造主である、このわたしに、何か要なのかしら?」


「いやいや、ちょ、「そうね、」」


 流石に、察したか?


「確かに、話が進まないわ」


「そうだよ、このまま延々と、こんなことし続けるつもりかと思た」


 それも悪くないのよって、呟いたのはスルー推奨だ。

 PCゲー、特にフリゲーの、暇つぶし用の無駄に文章量の過多なサウンドノベルなら、確実に分岐してるなって思った。


「PCゲー、特にフリーゲームの「いや、それは語らなくていいよ」そう?残念ね」


 もう俺が内心で一度言ったしな、とは言わんが。


「で? なんだったけ、そもそも趣旨が曖昧だから、なに言っていたのか、言いのかすら、忘れたわ。

 もう、あんたが一から、主題もなにもかも適当に決めて、

 私を超絶に世界がこの瞬間に終末に収束するくらい、涅槃の奈落に至るくらい楽しませて」


「無理無理無茶言うなってのカタツムリ」


「低脳ね、低脳低脳、あんたは低スペック過ぎるわ。

 私の強欲、渇望を満たす為には、やっぱり同格の、神のような存在が必要なんだわよ」


「知るか知るか、ばーかばーか、絶対的不可能を可能にできないってだけで低脳って、アホらしいんだよ」


「至極ね、同情してあげる」


「元凶がぁ、同情すなっ」


 なぜか盛大に溜息をつかれる、俺も真似しようと思ったが、コレされかかるかもしれないので、やめておく。

 コレとは、今まさに溜息を吐く寸前で、シャルがどこからか一瞬で一閃で抜き閃かせた、俺の首に当たるレイピア剣の間合い。

 既に詰まって、殺されるまでの流れの軌道上なんだが。


「ふぅ、いいわね、他人の命を、尊厳も生命も何もかも、己の意のまま、手中に収める、陵辱者の気分って言うのはね」


 最低が何か告げる、嗜虐心の一杯なアレな表情。


「どう? どうどう?」


 レイピア剣で、首の皮を一枚ほど、持っていかれる。

 チクリと、地味な痛み、首から血の滴るような、紛れもないリアルな感覚。


「ふっふ、、、、ちゅぅ、うーん、なかなか、あんたの血の味、おいしいわよ? あんたも舐めてみる?」


 ラリッてる感じの可笑しな顔で、俺の首筋を撫で上げざま、血を掬い取り、その可憐な唇で弄び、舐める。

 恍惚、真に絶頂を感じさせる、うっとりと紅潮した顔で、己の有りの儘の心情を伝えてくる。

 すいっっと、回避もできない、ダイレクトな付き込みで、己を血を、口に含まされる、コイツの繊細な指の感触と共に。

 酷く感覚を共有している、感覚、フィードバックされる鉄の味と、先ほどのシャルの感じていた、それは感覚だ。

 これは、おそらく意図的に誘発させられた、心的操作なのだろうよ、シチュエイションここまで流れ手技手際全て含めてな。  


「はい、ラブラブタイムおわり」


「くそ、どこがラブタイムだ、キルタイムだろが」


 ちゅぽんと、指を引き抜かれて、当然のように、それを自分の口に含んで、おしゃぶりみたいにする、される。


「お前、それ、恥ずかしくないのか?」


「馬鹿馬鹿ね、恥ずかしいのが、いいんじゃないの?」


「ああそうだな、恥ずかしいのが、俺が投稿している、明確なる理由なのだろうよ」


「そうねそうね、あんたは、生き恥を晒すことが、唯一の生き甲斐のような、負け犬劣等者だものね、聞くまでもなかったわね」


 くそ、そこまで明け透けかよ。


「ふっふ、あんたは、最低最悪の、ゴミ屑産業廃棄物、放射能廃棄物にも劣る、世界の害悪の顕現みたいな奴ぅ♪」


 指差されて、舌を晒して、おちゃめっぽいニヤリ小悪魔のような、クソ可愛い顔で、そんな悪辣なこと言われる、オレだ。


「知ってるのよ? 他ならない私だけは、貴方の感情を、掛け値なしに100%、ダイレクトに伝わる形で、共感して上げられているのよ?」


 また、これが、例の語り口調、俺を洗脳するような、甘く響き、脳内を汚染し汚濁しマイモウにする語り。


「うぐぅっ、や、やめろぉぉっ」


 そんな惨めに頭抱える俺を、ニヤニヤニヨニヨ、特に口元がいやらしいのだが、嘲笑するように穴が開くほど見てくる、コイツである。


 実際、これをされると、正直にキツイ。

 普通に篭絡されて、赤子の手を捻るくらいに簡単に、コイツにメロメロにされて、

 掛け値なしに、下僕みたいに、彼女の事しか本当に一切合財考えられない、彼女中心主義の信奉者に、なってしまいそうに、なるのだから。


「ねえ? どうなのよぉ?」


 言いながら密着するように接近、耳元に唇を寄せられて、動けなくなってしまった。

 俺の命、どころじゃない、

 この音声的支配・征服・陵辱・屈服能力では、歌姫すら凌駕する異能者だ、精神すら意のままにされてしまう、

 いな、既にしまったと言える、のだ。 

 彼女の、コイツのクソ可愛い姿、恋人に寄り添うような所作、存在感等々の、複雑ミックスした、これは、そう、誘惑のようなモノ。


「ねえ、貴方の考えていることを、ずばり、言い当てて、あげましょうかぁ?」


 耳元から、脳みそを擽られるような錯覚。

 少なくとも、そういう感覚を錯覚できてしまう時点で、もう駄目だと分かる俺だ。

 実際に、脳みそを弄くられた経験者としては、コイツのコレは、ソレ、と、同レベルの領域である確信があるので。

 強制的に脳のツボを押されて、発狂させられたり快楽地獄に落とされた事があったりする、つまるところ、コレ俺の負けであるのだが。


「苛められていじめられて、最後の最後で、救われる、その甘美な享楽を知っている、惨めで愚かな人。

 最後の最後で、救いの糸すら垂らしてもらえなかった、

 真に世界に対して憎悪を、縁を切って、絶望しきってる私の、神をも遥かに凌駕する、人間の心なる灼熱の激情を」


 なんか電波垂れてるが、コレが有りの儘のコイツ、シャルの心情、心象を表現していると、俺は知る、知っている。

 歪み致命的に折れ曲がることを、アイデンティティ、己の存在意義とするような存在性、と言えば分かりいいか。

 絶対的なツン、デレは何処にあるのか知らないが、そんなような奴。

 俺とは違う、最後の最後、で、絶対に世界に、他人に、寄り添わないことを、座右の銘として殉じる、決してデレない復讐者なのだ。

 だからこそ、俺は、その絶対を体現するような、くらいくらい闇に憧れる、のだ。

 絶対の強度と、無限熱量のような、この世に決して在らざる、無量の、悪の大輪の華とは、まさにコイツの為だけに在り、唯一に指す言葉だろう。

 今すぐこの瞬間にも、爆縮して、ビックバンでもユニバース宇宙開闢でも、マイクロブラックホール的に、すべてを絶対吸引するような、そんなカリスマ性なのだ。

 俺は恋焦がれて、憧れる、このような、超越者に、どうしようもなく、世界に希望を見出している、彼女のお陰で。

 やはり、真なる絶望の中からしか、真なる希望は見出せないのか、と思う。

 彼女のような絶対的犠牲者なくして、この世界は成り立たないのか、と思うのだ。


「わたしのこと、好きよね?」


「ああ好きだよ」


「なら、こんな救いようが無いわたしの世界の、貴方が唯一の、無量の希望、だから、貴方だけに、わたしはデレる、デレているのよ」


 吹きそうだった、おまえ、今まで俺にデレていたのかと、突っ込みたかった。

 確かに、俺は特異点で在り、この世に在らざる、唯一無二の希望的存在だが、その自覚くらいある。

 じぶんが何ものか、悟るに至り、俺は俺が何ものかをも、とうの昔に悟りきっているから。

 彼女のような存在を救えるのは、世界でも、まあ俺くらいしか、決していないだろう、ことも。

 真に絶望した存在をも、救い上げる、真に希望を宿した存在だ。

 そんなモノは、世界と同義のステータスを持つ、神格存在に他ならない、神の娘達になぞらえて言われる存在だ。

 世界と完全に縁を切って、得られるステータスの、それは対義、対存在とも言えそうだった。

 世界とは、常にバランスを絶対的に保つように在る、在り続ける。

 なので、俺のような存在が一生まれる為には、彼女のような存在が一、発生しなくてはいけない必然があるのかもしれないのだ。


「まあ、そういう訳だから、あんた、死ぬまで、私を癒してくれて、愛してくれれば、言う事ないのよ」


 サッパリしたような、しっぽりしたような、微妙なそれは、照れたような、守ってあげたくなるような、

 ああ、もう、素直になるが、正直、この笑顔守りたいっ!って思わせてくれるような、とびきりのスマイルで決めてくれた。


「決め顔だけにな」


「はぁ? ちょっと、話聞いてるの?」


 それから、本筋に戻った、戻ってくれた。

 話題が発展し、省略するのだが、不毛だったので。

 簡潔に言えば、それからは延々つらつらと、徒然なるままに、

 俺の超絶長編ファンタジーちっくな小説の、罵詈雑言発表会場だったのだが。


「つまり総論すると、決定的欠陥は、世界系ね、分類的には」


「ああ、そうだな

 ちなみに、途中からカギカッコで括られて、上記文章は、コイツに音読されていた。

 探せば分かるレトリック的な、叙述トリック的なアレであるので注意が必要だ。

 気づかなかった人は読み返して、その妙技を探してくれたまへ」


「ば、か?」


「ああ気にするな、気にするなら、俺とお前の会話が、実は全部小説物語で、天上に居る読者に、これが物語である事を、俺が自覚的だってな、挑戦的なノリで挑発してるみたいな?おもしろいだろ?」


「電波ね、で、こんな話を垂れ流して、貴方は世界にどんなメッセージを飛ばしているの?」


「シャル大好きだから増えても問題ない、むしろ嬉しい的な? つまり愛のメッセージだな」


「そんな分かりきった事、しなくていい、もっと新しく建設的な事ができないの? 無能な奴ね」


 酷い話だ、まあ、この世界がまるっきり酷い話なのだ、大統合的には、どうなろうと変わらないのだが。

 とかく、それからもずっと、酷い話だった。


 なにもかも、コイツも俺も、みっともなく惨めに生き汚く、二人一緒に傷を舐めあい、前向きに、

 そう、遥か古の時代から連綿と、楽観的に現実を信仰し、支えあって、己の欠けている矛盾の片鱗を持つ存在と共に生きる、それが人生と言うものだから。


「はあ、ダルイ」


「くたばりなさい!ごみくずむし!」


 俺が下を向いていると、途端に彼女は反発するように上を向き、

 逆に、コイツが下を向いていると、俺はここぞとばかりに上を向き、恍惚と威張れるチャンスとする、そういう関係だった。

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