第3話 <お願いしたいこと>
美しい女王様が登場します。
……個性の意味知ってんのか?
蛍さんから聞く話によると、この星は都市、自然などあらゆるところを地球とそっくりな構造にしているらしい。理由は住みやすいから。
地球にあこがれる族はたくさんいるみたいである。
よく個性的なんて言えたものだな。
『希サマ、そろそろいいでしょうか』
「ん? ああ、さっきの話ね」
あのあと突然女王様に会ってほしいだの星を助けてだのよくわからない話を長々とされたので、
「とりあえず休ませて」と言い、部屋内を探索している。
が、一向に戻れそうな気配はない。
学校はどうなっているんだろう、帰りたい。
『女王さまの部屋はここを出て右の右です。はやく行ってきてください。』
「えっ、付いてきてくれないの?」
『私の役目はここまでですので。』
この娘は俺にいったい何をしてくれたのだろうか。
別れが早すぎる。
『はやく、女王様がお待ちです。』
はいはい。わかりましたよっと。
「右の右だったよな。」
部屋を出て、長い廊下を右に進む。レッドカーペットが敷かれた上を歩くのは
やっぱり気分がいい。
長い廊下と言っても部屋同士が近く、しかも隣の隣なのですぐに着いた。
コンコン(ノック)
『はい?』
綺麗な声だなあ、きっとこの人が女王だろう。
「失礼しま…」
うっ…なんだこの…香り…?
何か獣…獣がいる!!
『はやくお入りなさい。』
そこで俺が目にしたものはとてつもないものだった。
大量の…猫?
でもしっぽが二又だったり三又だったり、体に宝石がうめこまれていたり、いかにも魔法を使いそう。
例のアニメのようだった。(ご想像にお任せします)
ただでさえ生物が苦手な上にこんなたくさん…。
だが、ここで下品な行動をしたらおそらくビリビリッバンッで地獄行きだ。
それだけは避けなければ…。
周りにいる猫やら武装した兵隊やら猫やらをできるだけ見ずに
俺はまっすぐ女王であろう貫禄、存在感漂う人物の方へと向かう。
彼女も蛍さんに似てとっても美人である。
「じ、女王陛下。お会いできて光栄です。」
何を言っていいかわからなかったのでとりあえずひざまづき、
テンプレで用意してあったセリフを放つ。
『ほう…それがそちの国でのあいさつか。』
「…はい?」
『私のことは猫娘と呼んでくれてかまわん。』
は!?
『冗談じゃ。本当の名はアマロン。呼び捨てで構ないぞ、希。』
じ、冗談を真顔で貫いてくる…ツワモノだ…。
しかも女王様を呼び捨てにしろだと?
って俺の名前すでに呼び捨てじゃねえか…。
それにこの星にはプライバシーの権利が存在しないのか?
『まだこの星に来て時間が浅いからの、迷いもあると思う。
しかし私達には貴様に頼めばならんことがあるのじゃ。聞いてくれるか、希。』
「はい…? 俺にできることならなんなりと致しますが…。」
『そうかそうか、それはよかった。では簡潔に発表するぞ。』
そう言うと彼女は席を立ち、大きく深呼吸してからこう言った
『我がラファネール星を救ってほしい。そちは選ばれたのじゃ。』
? 救ってほしい?選ばれた?
「えっと…俺、さっききたばっかりでなにもわかってないんですが…。」
『時は一刻を争う。ゆっくりはしておれんぞ、希よ。』
「あの…えっと…何をです?」
『では、星を救う方法を教えてやろう。』
星を救う方法? そりゃあ 剣で悪党をザッシュンザッシュンと…
『違う。』
あれ、違うのか。
『我がラファネール星は今ものすごくピンチな状況にある。それはなぜか、わかるかね?』
「いや、わかりません(わかるわけないでしょ…)」
『この間、2、3週間前にあたるか、ライバルでもあるシェハザード星のプルフス軍が攻めてきてな、
その衝撃でうちの星のものがよの星におっこちてしまったんじゃ。』
こんな平和そうな星にもそんなことあるのか…。
『そこで、よ。』
『よにそやつらの回収をお願いしたいのじゃ。奴らがまた来ては対処ができんから、わらとこの星の者 はここに残らなければならんからの。』
「俺が…地球に落ちたこの星の人を助けるんですか?」
『人というかなんというか…タイパーというべきか。』
タイパー?タイプ…属性か?
『属性をもっているのじゃ。火やら水やら、音やらタベモノやら』
ドンピシャか。てかタベモノって…
『心配いらん。それぞれの属性に1人じゃ。しかもそんなに量はおらん。はずじゃ。
残りはこの星にいるからの。』
『…とは言ってもやはり心配じゃ。蛍を連れて行くがよい。さっき部屋にいた奴じゃ。奴も便利な タイパーなのでな。』
蛍さんもタイパーなのか…何のだろ。
『じゃあそんなところで、よを地球に送り返す。あとは蛍に聞いてくれ。奴もすぐに行く。』
「…はい。なんだかよくわからないですけどやれるだけやってみます。」
ほんとに。
ほんとによくわからない。
俺が…星を救う?
こんなわけわからないところの?
でもたしかに憧れてはいた。でも
よく考えたらそんな 主人公 みたいなことが…。
「ある…のか?」
読んでいただいてありがとうございます。
勢いで書いていたら3話でした。
次は年明けてからだと思います。頑張ります。
よいお年を。




