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10億7374万1824人の私

作者: 純白米

 人生の中で、どちらかを選ばなければいけない時ってたくさんあるよね。


「今日の晩御飯は、カレーにしようかな。それとも、シチューにしようかな。」


カレーに決めた!と思っても、もしシチューにしていたらどうなっていたんだろうって気になりだしちゃって。

私はカレーに決めたけど、どこかの世界にシチューに決めた私も存在しているかもしれないなんて思ったり。


カレーにした私と

シチューにした私。

私はその2人の私のうちの、1人なんだね。


「晩御飯を食べたあとは、テレビを観ようかな。それとも、お風呂に入ろうかな。」


晩御飯をカレーに決めた私がお風呂にしよう!って決めたとき、どこかの世界の私はテレビを観ようって決めたかもしれない。

晩御飯をシチューに決めたどこかの私が、お風呂に決めたり、テレビに決めたりしていることだってあるかもね。


カレーのあとに、テレビを観ることにした私と

カレーのあとに、お風呂に入ることにした私と

シチューのあとに、テレビを観ることにした私と

シチューのあとに、お風呂に入ることにした私。

私はその4人の私のうちの、1人なんだね。


「明日も早いし、早めに寝ようかな。それとも、少し本でも読もうかな。」


早めに寝よう!って私が決めても、どこかの私は本を読んでいるかもしれない。

それぞれの私が、同じように選択を迫られ、決めている。


カレーのあとに、テレビを観て、早めに寝ることにした私と

カレーのあとに、お風呂に入って、早めに寝ることにした私と

シチューのあとに、テレビを観て、早めに寝ることにした私と

シチューのあとに、お風呂に入って、早めに寝ることにした私と

カレーのあとに、テレビを観て、本を読むことにした私と

カレーのあとに、お風呂に入って、本を読むことにした私と

シチューのあとに、テレビを観て、本を読むことにした私と

シチューのあとに、お風呂に入って、本を読むことにした私。

私はその8人の私のうちの、1人なんだね。


こんなよくある選択を、たった3回しただけで、私は8人もいることになる。

そんな風に繰り返し繰り返し、毎日何かを選んでいく人生で

こんなよくある選択を、例えば30回したとしよう。

一体、何人の私がいるか想像できるかい?


実はね、2択の選択を30回繰り返したら

10億7374万1824人の私がいることになるんだよ。


たった30回、どちらかを選んだだけで

私は10億7374万1824人の私のうちの選ばれし1人になれるんだ。

今の私になれる確率って、相当果てしないものだよね。


そう考えると、この長い長い人生で

たくさんの選択をしてきた今の私は

どれほどの私のうちの1人なんだろう。


あの時、こうしていればとか

あの時、こうしなければとか

そんなこと言わないで

全部、これで良かったんだよ。


今のあなたになれたのは、どんな奇跡も勝てやしない。

10億7374万1824人の私のうちの たった1人の私のこと

ずっとずっと 大切に。


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