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初恋のつづき。

作者: 篠崎



息を のんだ



一目見たとき

僕は 息をのんだ

だって

なぜならば


彼女があまりにも 彼女に似ていたから



僕が昔 恋した女性に




一体何のあてつけだろう と

何万回思ったことか

想いを伝えることなく

それどころか傷つけ

互いに背を向けたあの日を

どうして今更思い出させるのかと



どうして出会ってしまったのだろう


あのとき想いを伝えなかった僕への罰なのだろうか

傷つくことを恐れて告白をためらった臆病者への

神が罪償いのチャンスを与えてくれたとでもいうのか

なんてお節介をしてくれたんだろう


ふたたび僕の前に現れた彼女

日毎に目で追う回数が増えていく

頭では理解しているはずだった

まったく別人であると理解しているはずだった


それなのに僕は

僕の言うことを聞いてくれない


彼女は彼女ではない

わかっているのに

わかってくれない


無意識に面影を重ねて

ただ気になって仕方がないだけの彼女に

知らず恋心を抱いてしまいかねなかった


僕が昔 彼女に恋したように



いっそのこと

こぼしてしまえたら

僕が昔に恋した女性に

あなたがとても似ていると

あなたを見るだけで僕の心は

堪らなかったと


そうすることで

何かが変われば

僕と彼女との関係が

ただ見ているだけで何の会話もない

そんな関係が

変わってくれたらと


そう思って


そう思った瞬間に


僕は僕が

恋をしていたことに

気がついた


僕が昔 

彼女に恋をしたように

彼女に恋を 

していたことに

  


初恋のつづきを 歩いていることに



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