第一話
主人公 工藤 霧雨(くどう、きりう)
高校2年生、身長は平均より少し低く体付きは貧弱、容姿は普通より下位で陰険気味
性格はゲーム好きにアニメと銃器オタク、ためこみやすく自分の殻に籠りがちで妄想好き、いじめで人間不信
学校で集団いじめにあっているため友達はおらずストレスを溜めこみ少し歪みぎみで危ない状態
今の状況からの解放を願っている
陰険な雰囲気を漂わせなあがら帰路を歩く少年がいた。
手入れのない髪はボサボサで顔を隠し不気味で陰険な空気を醸し出す、身長は164Cmほどで筋肉はなく貧弱だ。
そんな身体を制服で隠し手には鞄を手に持っていた。
制服には土の汚れが全体に付いており泥遊びでわなさそうだ、鞄はところどころに傷がありどんな使い方をすればここまで…と思えるほどで、これらの判断材料により推測されるのは『いじめ』にあっているのだろう
「はぁ…あのクズ共が、手加減ぐらいしろよな。」
脇腹を痛そうに手で庇いながら少年は悪態を突く、べたにも人通りの少ない体躯倉庫裏で数人の男子に殴られ財布を奪われた少年は満身創痍で今日の学校から帰宅していた
ほぼ毎日このようなことが起こる日常ではストレスが溜まりっぱなしで友達もなく親は放任主義、少年には誰にも相談する相手がおらず一人で溜め込んでいた。
憎しみを溜め込むか悪態をつくか妄想に逃げるかしかできない少年は、自分にため息をこぼした。
(…今日は、コンビニによろうかな)
少年はバックの底から財布を出した、奪われた財布はダミーで本物はいつも隠している,最初の頃は小遣い全部を取られていたが浅知恵を働かせて多少は被害をおさめていた
だがダミーに確証を持たせるため五百円ほど入れている、出費は少なくないためお金に余裕はない
あいつらにお金を貢ぎたくわないが、殴られるのは怖い…だがそれ以上に惨めな自分と理不尽極まりないことが憎い
この腐った日常が壊されればいいのに、と少年はいつも思っていた
それは高校に入りいじめにあった頃からではないが原因の一つでもあった
中学からゲームやアニメ、銃器にはまった時からだ、色々な独創的で刺激あふれる『おもちゃ』に人生を捧げたが「人間の欲望は尽きない」と言うとおりまだまだと渇望のような願望が芽生えるのだ
『いじめ』はそれに拍車をかけたのだ
圧倒的な優位性にたち自分に害した者たちに復讐がしたい、いつもそれを妄想していた
最近は残虐にぐちゃぐちゃといじめた奴らを‘殺して殺して殺しまくる‘妄想や夢さえ見るようになった
背徳としか言えないアダルトビデオで興奮し、女子を犯したい欲望が芽生える
だがそんなことをすれば社会的に終わってしまうので自制し、心の中の奥に留めておく冷静さはまだあった
個人の限界や自分の弱さを自覚していたからで、だからこそ自分が嫌いで何もかもがいやで嫌いで…だけど、どうしおうにもないから、現状維持のままこうしているのだ
コンビニの週刊誌をパラパラとめくりながら再びため息をこぼす
(はぁ…異世界トリップと言う夢のような非日常が起きないかな、本当に…)
最近は携帯小説にはまっている少年は異世界に行き自由に生きる主人公に憧れていた
最強に近い力を持ち気に入らない者は力でねじ伏せ圧倒する
国さえ作れ美女に囲まれハーレム人生は誰もが思い浮かべるだろう
そんな夢物語を前に今の自分と比べるとため息が出ない訳わけない
ゴクリッと炭酸ジュースを一口飲み少年は再び帰路を歩く
普通の一軒家の家のドアを開け靴を脱ぐ
「霧雨、今日はコンビニべ弁当買ってきたから、後で食べなさい」
ドアの音で気づいたのかリビングのドア越しから聞きなれた母親の声
手作り料理はほとんどない両親ともに働いていることもあるが母親がめんどくさがりなため昼食の夜も弁当が多い
霧雨は「…ああ」とドアを少し開け言うと二階の自分の部屋に入った
親は必要最低限のことはしてくれるので文句はないが他人のような存在だった
自分の息子が明らかにいじめられていると言う証拠があるのにあえて何も聞かない、しないのだ、心配するどころか迷惑なのだろうと思う、いちいちかまっていたらストレスで仕事に支障をきたすからだ
冷めた家庭だが近所付き合いはいいため裏で隠し内々でのことである
霧雨はかすかな期待も最近消え薄せ「これが仮面家族か…」と自嘲気味に呆れていた
二階の奥は霧雨のテリトリーである自室であり、入った途端緊張のようなものがなくなった、家の中で安らぐ場所はここしかない
部屋は漫画本やゲームが錯乱し歩きづらいが霧雨は気にせずゲーム機以外を踏んでいく
そこらにバックを放り捨てすぐさまパソコンに向かう、いつもの行動だ
今日はオンラインゲームで暇つぶしでもするかという気分で色々とゲームを探し始めた
普通の物じゃあ満足しないため18禁の物のキーワードで検索してみた
「…あまり面白そうなものがない、…な?」
霧雨はあるサイトに目が止まった
【異世界・デス・リアル・トリッチ】
短絡的で分かりにくい名前だが霧雨は多少興味が湧いてきた
『トリッチ』という言葉は聞いたことがなかったが流行語を狙っつてのことだろうと推測した
(…少し理解不能な名前だが…まぁどうでもいいか)
気になるところではあるが霧雨はそのサイトを開いていく
暇あ潰し程度に楽しめたらいいなと軽い気持ちでいると次のページで少し眉をひそめた
【このゲームは現実です。プレイするなら覚悟しましょう。…束縛のない自由な世界をあなたに…】
引き返す≠逝く
…選択…これは何かのホラーゲームかと突っ込みたくなった、無駄に恐怖をあおってどうするのだと創作者の意図がわからないし『異世界』なのだからファンタジーな世界を設定しているのが王道だろう
すこし意表を突かれたが、その分期待した。
(…独創的で新しい物だったらいいな…)
最近は同じようなものばかりで飽きていた霧雨は、そんな新しそうな変わった刺激を期待し、迷わず『逝く』を選択した
◆ ◆ ◆
ハッキリ言って最悪だった、クオリティの低いゲームは数年前の駄作ゲーと同じで落胆をえない
なぜ自分は期待したのだろうかと、子供みたいで恥ずかしかった
「最近、飢えているのかな…」
刺激が…欲望が…、満たされないからか、と霧雨は過剰な自己分析し、ため息をこぼす
最近中二病は治ったと思ったんだがな…
ストレスが発散するどころか溜まっていく一方だった、
だが霧雨にはまだストレス発散のための趣味があった
現代の最高の槍にして殺戮の悪魔の一種、銃器だ
男ならその無骨ながらに美しさを備えた武器は、一度は手にし重みを感じたいと思うはずだ
撃った時の衝撃、音、刺激あふれる魅力に興味があるはずだ
特に平和日本では銃刀法があるため、所持には資格が必要であるし入手し難い武器だ
霧雨はその殺戮武器に大いに興味をそそられ、バイトでモデルガンを買い、分解して調べたほどだった
何かに興味を持った霧雨はものすごい集中力を発揮する才能はあったが無駄なことにしか使用しないためか、たからの持ち腐れだった
(明日は土曜だからモデルガン店に行こう…うん、そうしよう。)
気分的に武器を眺めたくなった霧雨はそう決めた
よく行く店には電車でも時間がかかるため今日は早めにベットに沈んだ
スマホのアラームを設定し、目をつむった
◆ ◆ ◆
霧雨は眩しい日の光に意識が覚ましてきた
「くう…眩しい…が、まだ眠いぃ…」
寝起きは悪い方で霧雨は二度寝に入ろうとする
だが頭の隅で今日は銃器を見に行くんだったなと思い出した
眠気との格闘の末、霧雨は癖で片眼だけを開けた
「…あれ…?、森…?」
両目を眼いっぱい開いた霧雨は真上にある木々に一瞬まだ夢の中かと疑った。
視界一杯にはしっかりした枝に生える緑の葉が美しかった、生命を表しているかのようで不思議と気分が和んでしまう、人工物の一切も存在しないこの空間は霧雨の理想とする自然であり写真を眺めているかのような錯覚さえあった
霧雨の住む地域には自然などなく人工物ばかりでテレビで見たことしかなかったし実際に見に行こうとすると電車を使用しても半日はかかるだろう、それに霧雨は自然は綺麗で良い所だなとは思っていたことあったがそこまで興味をそそるほどでもなくゲームなどの浴物にしか目を向けなかった
そんな霧雨にとってどうでもいい物が目の前にあった、いや…それしかなかったがそれが新鮮で悪くなかった
木々の中で吸う新鮮な空気の味はとても清んでいて胸一杯に膨らませるほど吸い込みゆっくり吐き出す
霧雨は夢で味とゆうか五感が働くのか分からなかったが今はいい気分だったのでどうでもよかっ……… いや、よくはないだろう
首を曲げて状況確認するがやっぱり木々だらけの森林に地面は草が生い茂っていて自然自然の天然物ばかりで混乱しそうだ
「ここはどこなんだ…?僕はこんな所に来ないだろうし、予定もあった…やっぱり夢だろう……か?」
確信もなく決めつけるのは嫌いな方の霧雨は判別するためベターにも頬を指で抓ってみた
「痛っ…」
軽くじゃあ効かなかったはずだと強く爪でつねったせいか予想より少し痛かった。痛覚があることは確認できた
ので些細なことだ
とりあえず五感はあること確認できたがこれだけで現実だとは決めつけるには早い、霧雨はとりあえず立とうとしたところで…
(…これは、もしかしたら、もしかするかもしれない…)
急に見知らぬところに一人、連れられるとゆうこの状況はある物によく似ているんじゃあないかと霧雨は推測のような淡い期待で胸が踊りそうになる
現実とゆう鎖を科学的な法則をこえたファンタジーな世界に、自由な異世界にトリップとゆう夢にまでも見たこの状況は願ってもないことだ
急に胸の不安が好奇心へと変わり心が弾んだ、バクバクと興奮しだし感情が高まるのが止まらない
霧雨はいきなり立ち上がると走り出した
たぶん初めて本気で走ったんじゃあないだろうかという走りは同年代の他人より遅かったが必死に足を動かした
、森が邪魔し地面も凸凹で転びそうになったり転んだりで軽い怪我ほしたが気にすることなく走り続けた
霧雨は確認したかった、本当にこの世界は地球でわなく異世界であることを確信し自分が自由であることを………
切り立っつた崖は自然の要塞そのもので一キロメートル以上はある絶壁は立った者に畏怖と恐怖で縛るであろう場所に霧雨はいた
「はあっ!…ぜはっ…かはっ、げほげほ…ごほっ…」
荒い息は限界まで走り心臓を酷使したことによる結果、霧雨は膝に手付き汗を沢山かいていた
無造作に目に入りそうな汗を拭き前を、絶壁の上から世界を見渡した
それは霧雨の期待を、、、、裏切らない物だった
飛んでいた…、巨大な翼で空を自在に飛び鱗や長い尻尾、鋭利な爪牙を有した伝説上の生物、ドラゴンが存在し目の前で飛んでいた
ファンタジーの世界でしか存在しなかった架空上の大型生物、地球では神聖視されているほどの生き物が生きて実在していることに霧雨は感動を覚えた
よく見れば地球では見たことのない大型にはいる鳥のような生物も飛んでいるのだが、圧倒的な存在感を放つドラゴンで霞んでしまうのだ、数キロ離れている霧雨でさえも足腰が竦んでしまう
だがそれ以上に霧雨は舞い上がっていた
「――――はは!凄い!本物だ!来たんだ僕は異世界に!自由な世界に!はははははは!」
あの嫌で嫌でしかたなった日常から、非日常への開放感に霧雨は笑いが止まらなかった
惨めで屈辱しかなかった”過去”、窮屈で刺激のない世界はリセットして、最高に興味をそそられる異世界で霧雨は人生を、新しく始めようと思った。
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