神様からの贈り物~しあわせのかたち~
この度、「神様からの贈り物」シリーズがユニーク100を突破しました。
嬉しくて嬉しくて嬉しくて嬉しくて、またまた記念作品をつくってしまいました。
「あなた」と送る、小さな番外編です。
正確には、番外編の番外編かも。
それではどうぞ。
気付いていた。
私に起こっている体の異変が、風邪などでは無い事。
一週間前から、だんだん酷くなっていく症状。
震える手が止まらない。
なんて言おう。会社から帰って、疲れているあなたに。
料理の手を止め、余熱で音を立てる肉の音が止むのを待った。
ソファに腰掛け、天井の方向を向く。きっとこれを、「天井を仰ぐ」と言うのだろう。
テレビなどうるさいだけだ。ソファに座って、お気に入りの音楽を聞いたり、考え事に耽るのが大好きだった。
しかし、今はひとつの事しか考えられない。
なんて言おう、なんて言おう。
あなたの事だから心配するだろうか。
ふたりの将来の事。もっと先の将来の事。
そうこうしているうちに、あなたが帰ってきた。
いつもは出迎えるが、今日はおとなしくソファに座っている。
料理の音が聞こえないからか、出迎えが無いからか。
異変に気付き、すぐさまリビングに駆けつけた。
「一体、どうしたんだ?今日は疲れてるのか」
なんて言おうか。考える前に、口が動く。
「肉のにおいがむかついて。ちょっと、気持ち悪くなっちゃったの」
「それって……?」
おそるおそる私の顔を伺う様子が、見えなくても分かった。
「これからは私だけじゃなくて、この子も養わなきゃね」
まだ平らなお腹を撫で、微笑んだ。
神様から授かった、大切な、大切な贈り物。
目の見えない私に、たくさんの色と幸せをくれた神様。
それでもまだ、幸せな贈り物を私にくれるんだね。
神様ってやつは、私とあなたを幸せにするのが好きみたいだ。
この子もきっと幸せになりますように。
三人で、温かい家庭が築けますように。
きみが生まれるのを楽しみにしているよ。
読んでくださり、ありがとうございます。
さあ、企んでいたプチ番外編、突破記念に書いちゃいました。ええ、書いちゃいましたよ。
いつになったらこの子たちの物語は終わるのでしょうか。
きっと、読者様の数だけ、物語があるのでしょうね。
私も思いの他、この子達が気に入っているようです。
小さな物語など書いてしまったら、もっと書きたくて書きたくて。
筆ならぬキーボードが止まらないです。
潔く止めるのも手ですが、どうせならちょっと書いてみたくなってしまった雷稀でした。
感想・アドバイス等ありましたら、よろしくおねがいします。