CMのお話
私がお遊戯会や学芸会とかの役について考える様になったのは、ある一つのCMがきっかけだった。
カネボウさん(クラシエさん?ごめんなさい…。)から出ている、確か、ナイーブという商品のボディーソープのCMだった。
お遊戯会か学芸会で、小さな男の子が、舞台で一生懸命に、昆布かワカメか海藻の役を、体全体を使って表現していた。
汗だくになって。
それを観客席から見ているお父さんの心の叫びが、愛情に溢れている的確な言葉だった。
゛いいぞ!!!その汗!!!゛
とても心温まるCMだった。
昔のCMだけれども、今でもよく覚えている。
主役はそうそうなれるものじゃないけれども、脇役なら回って来る事もあるかもしれない。
確かに主役は魅力的だ。
そして、誰からも一目置かれたり、認められたりするだろう。
でも、実は、脇役も魅力的だ。
何故なら、脇役に誰かがなった途端に、その役はその人の主役になる。
そして、その人がその役の主役となるという事は、その作品の主役は脇役だ。
だから、昆布かワカメか海藻役の男の子は、主役だった。
彼の世界では主役だった。
そして彼の家族の世界の中でも、主役だった。
愛で溢れている暖かい場所にいる主役だった。
あともう一人、この考え方に影響を与えた人がいる。
高校の英語の先生が、卒業アルバムにメッセージを書いてくれた。
詳しくは忘れちゃったけれども、自分の人生の主役は自分、だと書いてあった。
とても、心にしみる言葉だった。
私は、その言葉を、頭がふわふわした状態で受け止め、今迄、大体、忘れる事は無かった。
学校の先生の言葉って、大切ね。
私は柿の木の役だったから、私の外の世界の作品では主役は蟹だったけれども、私の中の世界では主役は柿の木だった。
一言言って終わる、渋い渋い役だった。
私の柿の木の一生は、即に終わった。
残ったのは、それをやり遂げた事実で、それが私の手元に残る最強のカードだった。
何て切ない役なの。
でも、当時の私は、それで満足していた。
そんな私を、今の私は振り返って、頑張ったねって言って、頭を撫でてあげたいと思っているの。
何て、可愛いの。
何て、素敵なの。
自分で自分を褒めてしまう。
貴方もやってみていいと思う。
貴方の心の底が、穏やかになると思うの。
きっと、このエッセイを読んでくれている方々も、様々な場面で脇役だったかもしれない。
でも、当時は悲しかった方もいるかもしれないけれども、大人になってから、そのほろ苦い味を、良かったと分かる時が来る筈。
だから、自分の人生において、与えられた役を頑張ればいいと思うの。
これは、実生活にも当てはまる事だと思うの。
悪いことじゃなければ、与えられた役を頑張ればいいと思うの。
選べなかったお仕事とかでもね。
でも、限度があるけれど。
それは周りの色々な大人の意見を聞きながら、考えていかなければいけないかも。
勿論、興味のある役が出来たのならば、それでもいいと思うの。
最後まで出来なくても、与えられた役を頑張れば、きっと、貴方の最強のカードになる。
サントリーさんの、商品名がなっちゃん、というジュースのCMで、お父さんとお母さんが、なっちゃんに、将来なにになりたいのかを聞いていた。
なっちゃんは、確か、どんぐり、と答えた。
私は笑った。
子供は素直だ。
なりたいものは幅広い。
このなりたいものの幅広さは、その人の最強のカードを作る事になる。
お父さんとお母さんはなっちゃんに、戸惑いながらも否定的な言葉は言わなかった。
子供の心を汲んで、大切に育てている様に思えた。
最強のカードは、周りの人の優しさで作り上げられていくのかなぁ。
勿論、本人が最後には作り上げなければいけない。
きっと、それは、楽しい世界もあるだろう。
日本のCMは、面白いものが多いと思う。
かと言って、海外のCMを見た事がない。
ストーリー性のあるCMに私は魅入ってしまう。
やっぱり、記憶に残りやすいかも。
富士フイルムさんのお正月を写そう、という昔のCMに、樹木希林さんと岸本加世子さんが出演していた。
樹木希林さんがお客さんで、岸本加世子さんが店員さんで、お正月の写真付き年賀はがきの印刷をお願いしていた。
「美しい人はより美しく、そうでない人はそれなりに」
と、確か言っていた。
余りにもシュールで面白かったから、このCMに魅入ってしまった。
樹木希林さんは主役だったけれども、美しい人の役では無かったみたい。
…というか、確かに、主役は美しいとは限らないが、折角の主役ならば、美しい人の役になりたいという興味が無い人はいないだろう。
味のある役だった。
樹木希林さんにしか出せない、あの独特の雰囲気と間が、つぼにはまった。
樹木希林さんは、最強のカードを沢山持っている様だった。
最強のカードを沢山持つている人って、何て素敵なんだろう。
最強のカードを持っている人は、愛されているのかも。
美人になる事は難しいけれども、誰かから愛される人になる事は、努力すれば出来るかも。
それには、内面を磨かなくっちゃいけないから、長期スパンで考える事が必要だなぁ。
私も樹木希林さんみたいな素敵で独特な雰囲気や間を持ちたいな。
私なりの私の素敵で独特な雰囲気や間を持ちたいな。
そして、いつか大切な人達に、愛されたいな。
最強のカードは、各々が愛される事をもたらしてくれる可能性を秘めているみたい。
私なりの最強のカードって、何になるのかとっても楽しみだなぁ。
ここまでお読みいただき有難うございました。
もしよろしければ、次回作もお読みいただけると嬉しいです。




