なぜ魔王は敗れるのか
ファンタージ小説、現代小説に関わらず何らかの形でバトル要素があるお話で非常に困るのが敵の設定。
特に魔王みたいなラスボスは、あんまり強すぎると、話が果てしなく、壮大になり過ぎていつまでたっても終わらない。
かといって弱すぎると、終盤の盛り上がりがどうも……となってしまうわけです。
戦略的な話は置いといて、理想的なのはギリギリ直前まで恐怖を与えつつ、主人公に一発逆転させてくれる感じが一番望ましいわけですがw
まあ、これがなかなか難しいわけです。
そんなわけで、果たしてラスボスはいつもいかにして敗れていくのか?これを考えていきたいと思います。
○戦力の逐次投入
これは実に一般的な事例です。
お金をケチったり、相手を舐めてかかったりして、毎週日曜日に怪人を一人づつ、主人公にぶつけて行ったりする。
これを一年ほど続けると、リソースと戦力そのものがやせ細り、本部に乗り込まれた時。もう幹部がみずから出ていくしかない状態になってしまう。
そこで気づくわけです。
あれ?怪人全部一気にぶつけた方が良かったんじゃね?と
この事例は旧日本軍や、ガミラス帝国軍、ショッカーなど、などじめあらゆる悪の組織が犯す失敗で、戦力を小出しにして各個撃破の機会を与えてしまう。
また、実に長期連載向けのカラクリとなります。
「こいつは四天王でも最弱」とかいっておけばなんかすごい強い敵がいっぱいいるみたいですし、なんでいっぺんにかかってこないの?というツッコミをうやむやにできますw
この方式の問題点は、書き方を間違うとラスボス戦が一番盛り上がらない事態に至りがちということw
なにしろ、魔王って組織の長なんだから、戦わなきゃいけない段階で組織は疲弊しまくってなきゃおかしいという事になります。
仮に超強い魔王だったとしても、幹部連中は全滅し、組織が瓦解した後のはずなので
「よく来たな」
なんてセリフが寒々しく聞こえてきます。
勇者に勝った後、また何百年ほどかけて組織を立て直すんでしょうか?
それだけでしばらく世界は平和になるんじゃないかと思っちゃいますね
○大将が敵の前に現れる
これも良くありますね。
部下がよほど情けないのか強いアピールしたかったのか、勇者の前に現れてやられてしまう。
古来より将が先頭に立つなんて言うのはじつに非常識な事で、血気にはやって大暴れしたら、勝ったけどめちゃくちゃ怒られたとか、打ち取られて全軍崩壊したなんて言う話は枚挙にいとまがありません。
特に魔王なんて、強くてなんぼの世界ですから、まあ見てられないんでしょうが、手柄取られるわ、失敗したら全軍崩壊するわで部下にとっては迷惑極まりない行為なわけです。
この手法は、実にお膳立てが楽なラスボス戦への突入の仕方ですが。
使うタイミングを間違うと、いろんな伏線や事前情報が意味をなさなくなり、端的に言うと打ち切り感が出てしまいますので注意が必要です。
魔王の城目指して、旅してたのに、幹部残して目の前に出て来て倒されたりすると。
あれ?展開急いだ?
みたいになりますので、ボス戦が始まるまでの前置きをしっかりした方がよろしいかと思います。
様々な失敗を繰り返して勇者と対峙せざるを得なくなる。というのが理想ですが、まー話が長くなりますよねw
○弱点を放置する
これも典型ですね。
一撃即死してしまうほどの弱点を放置してしまい葬られる。
お話の大半は、このアイテムなりをどうするかの攻防戦が中心になるわけです。
「スターウォーズ」のデススターはじめこの辺りは物語を一発逆転に持ち込むには非常に理想的な要素と思われます。
この手の問題点は、相手の弱点を突く攻撃の発動条件をしっかりしておかないと、ボス戦が一番盛り上がらないという事態に陥る事w
完全無欠の即死アイテムを持って、魔王の前に立ったらそれで詰みなわけですから、クライマックスの持って行き所を間違わないようにしないといけませんよねw
○裏切りに合う
このれも非常に良くあります。ジオン公国軍や、関ヶ原など、味方の裏切り行為で結果的に全軍崩壊!
みたいな話は古来から良くあります。
絶望的な状況からの一発逆転ですから、読者の意表もつけるのもい大きいw
これの問題点は、やはり主人公なにもしてないやん感が出てしまったり、裏切った奴の小物感が出ちゃう事。
ちゃんと裏切る理由の伏線を張っておかないと、唐突感がすごい事になります。
○戦略とか考えてない
実は多いこのパターン。
実はラスボスは植物的なものだったり「現象」そのものだったりするというやつ。
このためパターンを解析され、倒される。
これは非常に終盤のお話を盛り上げますが、今度はそんな奴に部下とかいるの?問題が発生しますw
要はバトルシーンを書く要素が無いんですよねw
ラスボス戦もなんか人じゃない物あいてにあれこれやる必要があります。
まー、崇拝者みたいな幹部を置いとかないと、バトルもの書きたいときは不向きですよねw
○論破される
結構、終盤の盛り上がりに使える要素かと思うのがこれ。
ラスボス戦で、敵のロジックを力技でも根性でもなんでもいいので論破して、相手を倒す。
テーマ性を前面に押し出せますし、メタファー的な事象やキャラを配置しておけば、物語も締まります。ほぼ感情論ですが、ラブコメもこの類と言えなくもないw
この方式の問題点は、まずもって論破だけでどうにかなる魔王って……ってなっちゃうのとw
気軽に最後にこんな方法で可決させると、もうとって付けたような感じのペラペラの議論や倫理的矛盾が生じる場合が多いという事です。
平和を叫びながら兵器を操る展開を押し切るにはなかなか下地が必要でw
それなりの前振りや、主人公に試練をあたえ、その結論に至るまでの過程をちゃんと書かないと、
「え?その程度で論破されて。消えちゃうの?」みたいな感じで読者の目が点になってしまいますw
要約すると作者への精神的負荷がすごいw
脳内で結末に至るまでの哲学的議論を反芻し、反論を検討し、それを物語に落とし込む必要があります。
これはまぁ、他のパターンとの複合技で、主人公の成長を見せるような形で使うのがいいかもしれませんねぇ。
と、いうわけで駆け足で語りましたがいかがだったでしょうか?
他にもパターンはいろいろありますし、実際はこれらの複合型になっているかと思います。
どっちにしろ、終盤になっていきなりラスボスの設定造ってもロクなことはないと思いますのでw
一度、ラスボスの設定とその倒し方を考えみてはいかがでしょう?




