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例えばこんな異世界設定  作者: 宮城 英詞


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序 俺の宇宙では音がする

このエッセイは、歴史好きの私が、今まで読んだ浅い知識の中、例えばこんな異世界設定ってどうだろう?


という、暇つぶしがてら頭の体操をしつつボツネタの供養を行い、創作を行う方のヒントになるものを書いて行こう。と言うものです。


 ただ、一言。


私はいわゆる「ナントカ警察」みたいなのは、野暮な事だと思っております。


むしろ。その「ナントカ警察」に対する言い訳をする方法を粋に考えて行こうじゃないか、という意図で書いていきますので、そちらは身構えずに、むしろ楽しんで頂けたらと思います。


まず。私の好きなエピソードから

今は亡き漫画家、みなもと太郎氏が同人誌で書いていたお話。


みなもと太郎氏は若い頃、太秦でエキストラのアルバイトをしていたそうです。


 その時、よく見たら江戸時代の撮影の横で、戦国時代やら平安時代やら、いろんな撮影が行われている事に気がついた。


そこで


「ここは何時代のセットなんですか?」


と聞いたところ、太秦のスタッフの人


「あ?ここは時代劇時代だ。」


と言ったそうなw


まー、撮影する側からするといちいちセット作ってられないし、リサーチも大変。


 そんでもって視聴者がそれを求めているかというとそうでも無い。


まぁ、商業的にもエンタメ的にも割に合わないわけですな


一度、「水戸黄門」で史実に忠実に作ろう、ってシリーズがありましたが、あれもそんなに長く続きませんでした。


 見てる側にも教養を強要しちゃう(失礼)わけで

まぁエンタメにはならんわけです。


 逆に「タイムスクープハンター」という番組では、タイムスリップした主人公が、色んな時代に行くわけですが、その時の日本語をクソ真面目に再現したという試みもあり、あれは面白かったですねw


戦国時代くらいならまだなんとかなるけど、奈良時代になるともう字幕ないと何言ってるかわからんw


歴史好きしか喜ばないでしょうがwこういうエンタメもあるんだと思ったわけです。


いやはや、リサーチしたスタッフと、演技した役者さんには脱帽ですね。


では、エンタメに極振りするとどうなるか?


多分これは、最近流行りの「ここはゲーム世界です」と言っちゃう奴になりましょうか?

キャラの活躍のために物理法則を変えている作品が最近は流行りのようです。


ここで注意すべきなのは、フェアである事、執拗に説明しない事ではないかと思います。


例えば、密室殺人が起きて、捜査するシナリオだったとしましょう。


 密室殺人の楽しみはそのトリックを考える事にあるわけですが


伏線もなく


実は犯人は空間転移できるんだよーん


みたいなオチだったらどうでしょう?


私は何回か物理的に本をぶん投げましたw


TRPGでも、ヒントや伏線を難解にしすぎるとこうなります。


 その上で、マスターが勝ち誇ったりしたは日には卓の空気は絶望的になりますw


世界法則を握ってる人が読者に勝ちに行っちゃあかんですわねw


 そこまで行くとエンタメでも、ゲームでも無いですよね。


 せめてわかりやすい伏線を置いておくか、「ジョジョの奇妙な冒険」みたいにその異能がどういうものか推理する流れにしないと、意表を突かれる所を通り越して怒らせてしまいます。


ほな最初に全部説明しといたらええやん。


って話になりますが、これも読者はキツい。


 言ってみれば遊ぶ前に分厚い説明書渡されるみたいなもんで、よほど面白い保証が無ければ、まぁそっ閉じです。


また、ストレスに対して効率も悪いです。


 無味乾燥な文字の羅列より、ストーリー仕立ての方が、人間は記憶していられます。


歴史好きなら、年号表より、物語としての歴史の方がよく覚えられる事はご存知かと思います。


 別に道路交通法をみんなが理解してないでも道は歩いていますから、まぁ理解しなくてもある程度は楽しめるようすべきで、いきなりくどくど説明するのは非常にリスクがあります。


 世界設定はあくまで背景のカキワリなので、そっと置いておいて、必要な時に、赤信号の意味や、最高速度、なんでこの法律があるのかの解説を物語に乗せてやって行った方が理解して貰いやすいとは思います。


私の場合は、やっぱり「なんも知らん人」と「知ってる人」をある程度配置して会話の中で解説を進めていく事が多いです。


まぁどうしても字数を取ってしまうという悩みどころはありますがw


こういとき「異世界転生」というテンプレは非常に便利なものとわかります。


あれこれショートカットできますからね。


 もう一つ。面白い例としては


「スターウォーズ」の冒頭。


あれは一文で、まず、大宇宙銀河のお話である事を示しています。


細かい話は想像にまかせ、ごく短文なのがすごい


さらに、ざっと今までの経緯の説明が、文字で流れます。


 ここでのポイントは


別に全部理解しなくてもお話は楽しめる


って事。


 あそこで最低限理解しなければならないのは


「銀河になんか悪い奴がいる」


くらいなもので、ずらずら流れるテロップを読み逃してもどうにかなるようになっています。


 わかってなくても楽しめる。


 わかったらな面白い。


が、私が世界設定や、ギャグを書く時に理想としているラインです。


 なので、世界設定は


「聞かれたらなんぼでも説明できるけど、くどいから全部書かない」


程度にしています。


 結構こうすると描写に深みが出ますし、読者の人は意外に気づくもんですわw


まぁ、エンタメ感を忘れずに、また、世界設定に振り回されないようにもしないといけませんね。


最後に、そのスターウォーズのスピルバーグの有名な言葉を紹介しておきます。


「スターウォーズ」のバトルシーンを指し


「宇宙では音がしない」


と言った人が居ました。


そう、宇宙は真空なんで音は聞こえないし鳴りません。


それに対してスピルバーグの回答


「俺の宇宙ではするんだよ」


まぁ、こう言われちゃ、反論のしようもないですわねw

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