表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/65

6. メイドさんと上目遣い

 6. メイドさんと上目遣い




 静寂が包み込む。そして無情にもカイル君の手からは掃除用具のホウキが離れ落ちカランカランッという音だけが響き渡る。


「今のはどういうことかしら?説明してもらえませんこと?」


「え、あーっとですね……」


 ふむ。『え、あーっとですね』か。だいぶ動揺しているみたい。まぁそりゃそうだよね。だってありえないくらいに盛大にフラグ回収してるんだもんね。私も初めて見たよ。こんなに見事に回収する人なんて……。本当に面白いなカイル君は。


「なんですのその歯切れの悪い返事は?もしかしてあなた……私のことを馬鹿にしているのかしら?」



「ち、違いますよお嬢様。そんな滅相もないです!」


「じゃあどうしたと言うのです?あなたは間違いなくブラック企業?休みくれ?と言っていましたわよね?当たり前のことを当たり前のようにこなす。それが使用人ですわ。それも出来ないなら辞めてもらうしかありませんわね」


 それを聞いてカイル君は半泣き状態だ。少し面白い状況だけど、これ以上黙って見てるのは可哀想だから助け舟でも出してあげようかな。


「イライザお嬢様。私とカイル君は前の職場の話をしてたんです。勘違いさせてしまって申し訳ありません」



「あら?そうなの?」


「はい。このリンスレット家は使用人の私たちにもとても優遇してくれてますから。前の職場と比べてしまって、少し愚痴をこぼしてしまっただけです。本当にすみませんでした」


「そうだったのですか。それならば仕方ないですわね。まぁでも、前の職場の文句なんて言ってる暇があったら自分の仕事をこなしなさいな。わかりましたか?」


「はい!もちろんです!」


 私はそのままカイル君をチラッと見ると、何度も小さく頷いて感謝を伝えてきた。うむ。良きにはからえ。なんてね。


「よろしい。では私は忙しいのでこれで失礼しますわ。それと、明日からもしっかり働きなさいな」


「ありがとうございます!これからもよろしくお願いいたします!」


 イライザ様はそのまま歩いて行った。とりあえずカイル君のクビは免れたみたいね。


「あの……マリアさん」


 ん?なにかな?」


「なんかその……すみません……」


「ううん。全然大丈夫だよ。それよりカイル君が気にすることじゃないよ。それに、あんな風に言わないとイライザお嬢様も納得しないと思うから」


 私がそう言うとカイル君はいきなり上を見て動かなくなる。


 ……天を見つめてる。しかも『女神様』とか呟いているし。なんか独自の信仰とかあるんだろうな……。そして私の方に向き直る。


「マリアさん。どうして助けてくれたんですか?」


「え?あー……カイル君は私に必要だから」


 こんなに不思議で毎日見ているだけで面白い人がいなくなるのは嫌だし。


「へ?必要?」


「カイル君は私にとっても癒しだから」


「癒し!?」


「うん」


「オレが!?」


「うん。だから……辞めちゃダメだよ?」


「はい!絶対辞めません!」


 ……あーやっぱり。カイル君は大きな胸が好きなんだな。そう意気込みながらも私の胸をガン見してるし。この体勢だと谷間が見えてるもんね。また『破壊力は半端ない』とか欲望の声が漏れてるし。でもそこまで巨乳でもないんだけどなぁ……。


 とにかく私のためというより、私の大きな胸のためだと思うけど、理由はどうあれ、カイル君は飽きないし面白いからそれでいいかな。

『面白い!』

『続きが気になるな』


そう思ったら広告の下の⭐に評価をお願いします。面白くなければ⭐1つ、普通なら⭐3つ、面白ければ⭐5つ、正直な気持ちでいいのでご協力お願いします。


あとブックマークもよろしければお願いします(。・_・。)ノ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ