3. 使用人とフラグ回収
3. 使用人とフラグ回収
オレは料理長のエドウィンさんにメチャクチャ怒られたあと朝食を食べて2階の部屋の掃除をすることにした。
ちなみにこのリンスレット家は貴族街でもかなり大きな屋敷のため部屋がいくつもあるのだ！
「毎度ながら広いよなこの屋敷……無駄だよな。いかんいかん。誰が聞いてるか分からないし」
そうフラグみたいなことを呟きながら掃除道具を持ち廊下に出ると、ちょうど隣の部屋から出てきた少女がいた。
「あ。カイル君」
「えっ！？マリアさん！？」
「……？マリアだけど？」
「いや名前じゃなくて何でここにいるんですか！？」
すると彼女は首を傾げてこう言った。
「なんでって、私も2階の部屋のお掃除の仕事だからだけど？」
神様～！これってフラグ立ってますよね！？ マリアさんと一緒に仕事ができるなんて最高だぜ！！ そんなことを考えているとマリアさんがオレの方を見て微笑みかけてきた。
「よろしくね。カイル君」
その笑顔を見た瞬間、心臓が大きく跳ねた気がした。うおお～可愛いすぎるぞ～！
「こちらこそお願いします！」
よし頑張るぞ！マリアさんに良いところ見せないとな！まずは窓拭きからだな。雑巾を手に取り窓ガラスをゴシゴシとこすっていく。
「ふぅ……あー疲れたー……マジで広すぎ。ブラック企業だよここ……給料良いから我慢して働いてるけどさー……もうちょっと休みくれよなー……あーあー……せめて可愛い彼女欲しいなー……そんでデートしたりキスしたりするんだよなー……」
「あの……カイル君。声に出てるよ？」
「えっ！？あっすみません！！」
ヤバイヤバイ！思わず愚痴というか本音が漏れてしまった！するとマリアさんはクスッと笑った。マリアさんはやっぱり可愛いなぁ……。とか考えていると大きな咳払いが聞こえてくる。
振り向くとそこには仁王立ちしているオレのご主人様。リンスレット四姉妹の長女で当主のイライザ=フォン=リンスレット様が立っていた。
「ブラック企業？休みくれ？彼女ほしい？」
「いいいいイライザ様！！？」
フラグ回収！しかも怖ぇー！めっちゃ怒ってんじゃん！ヤバい殺されるかも……。オレの使用人の人生がオワタよこれオワタ。
『面白い！』
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