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1. 使用人といつもの朝

 1. 使用人と癒しの天使




 ここは王都ロンダルム。その貴族街の一角に一際大きいお屋敷がある。その屋敷の持ち主は伯爵家リンスレット。主に服飾関係の商売を営んでおり、他にも手広く事業をやっている。


 リンスレット家は四姉妹の令嬢がおり、今は四姉妹の長女イライザ=フォン=リンスレット様が当主だ。


 そんな伯爵家に使用人の1人として雇われているのがオレ。今年で2年目の彼女いない歴=年齢18年のカイル=オーランドだ。


「おはよう!みんな集まって!」


 メイド長のメリッサさんの号令で朝の朝礼が始まり、本日の業務内容が発表される。これがいつもの朝だ。


 そしてその朝礼を、いつも通りオレの横で聞いているメイド服姿の若い少女。歳はオレと同じ18歳。とても綺麗な顔立ちをしている。髪は金髪のボブで、スタイルは抜群だ。胸は大きいし腰はくびれてるし、尻もデカいし脚も長いし……って、どこ見てんだオレ!


 とにかく美人なことには間違いない。しかも胸が大きいのでつい視線がいってしまう。毎日ドキッとしている。正直ご褒美としか言いようがない。


 彼女はマリアさん。リンスレット伯爵家のお屋敷で働く使用人の一人で、主に家事を担当している。伯爵家はお金持ちだから専属の使用人も多いけど、その中でも特に優秀だと評判の女性だ。そしてオレの想い人だ。


 そんなことを考えているとマリアさんと目が合う。するとニコッと微笑んでくれた。あぁ〜癒されるぅ〜!


「カイル=オーランド。聞いてますか?」


「はい?聞いてませんでしたメリッサさん!」


「あなたは何をしてるんですか?」


「今、癒されてました!」


「……私はイライラしました。カイル=オーランド、あなたは朝食係のあと2階の部屋の掃除と庭の整備です。次は聞いておきなさい。では各自持ち場についてください」


 また怒られた……まぁ……これもいつもの朝だ。


 朝の朝礼が終わると、皆それぞれの仕事に取り掛かる。オレはキッチンに向かい朝食の準備を始める。


 このお屋敷に来て、だいぶ仕事にも慣れてきた。ちなみに2年目の使用人なんて、まだまだ見習いなので下働きがメインだけど。まぁいずれ一人前になってやるさ!


「よしっ!今日もいい感じに仕上がったぞ!完璧だぜ!」


 今日の朝食は白パンにスクランブルエッグ、サラダとコーンスープ。それとベーコンだ。我ながらなかなかいい出来栄えだと思う。……まぁオレはサラダの野菜を洗っただけだけどな。


「カイル君。これ運んでくれるかな?」


「マリアさん!?」


 突然背後から声をかけられたので驚いて振り向くと、そこにはマリアさんがいた。


「どうしたの?そんなにビックリして……」


「い、いえ別になんでもありませんよ!すぐに運びます!」


 そう言って料理を載せたトレイを持って、テーブルまで運ぼうとするとマリアさんが優しく言う。


「ふふっ今日もカイル君は元気だね?私は元気いっぱいのカイル君好きだよ」


「え?」


 マリアさんはニコニコしながらオレに言った。好きって……いや、別に深い意味はないよな。うんきっとそうだ。でもこんな美人に言われたら勘違いする男もいるんじゃないか?現にオレもちょっとドキドキしてるし……。


「まっまぁ!元気だけが取り柄ですからね!それじゃ運びますね!」


「カイル君」


「はい!」


「食堂はそっちじゃないよ?」


「あ。」


「ふふっ」


 そう言って、また笑顔をオレにくれるマリアさん。もう天使だよマジで。こんな美少女と付き合いたいし!結婚したい!……ん?ちょっと待てよ。結婚したら毎日こうして一緒に食事できるんじゃねーか!やった!これは神様からのご褒美かもしれないぞ!もう我慢出来ん!いっそのことここで告白しよう!


「あのマリアさん!」


 オレが癒しをしみじみ感じたあと、勢いよく振り返るとマリアさんはいつの間にかそこにはいなかった。


「うるせぇぞカイル!早く運べ!」


「あっはい……」


 料理長のエドウィンさんに怒られた。これがオレのいつもの朝だ。でもいつかマリアさんと付き合えるように頑張ろうと思う!

『面白い!』

『続きが気になるな』


そう思ったら広告の下の⭐に評価をお願いします。面白くなければ⭐1つ、普通なら⭐3つ、面白ければ⭐5つ、正直な気持ちでいいのでご協力お願いします。


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