『自殺志願者』
こんにちは。涼しくなるよって言われたと思ったら余裕で暑くてまだまだハンディファンが手放せません。溶けそう台風のおかげで湿度も高くて頭も爆発してます。
俺、田村柊弥は自殺スポットとやらに来ている。友人とではなく1人で。そして俺もこの自殺スポットの犠牲者の1人として歴史に名を残す。
先週も女子高生がこの橋で自殺したらしい。理由は彼氏と喧嘩したから。そんなしょうもない理由だった。
今にも壊れそうな橋は高さが底知れず下からコーコーと風が吹いている。試しに石を落とすが反響する音が聞こえない。俺はその事実を焼き付けながら深呼吸をする。自殺すると決めたきっかけはほんの些細なものであった。サッカーの部活仲間でありライバルでもある篠山慎二にスタメンを奪われた。高校3年生ラストの試合。何がなんでも出たかった。監督にもなぜだと問いただしたが納得のいく答えが貰えなかった。3年間学業も友人関係もそこそこだった俺が守り続けてきたスタメン。外された瞬間に俺の居場所は無くなったも同然だったのだ。だからここへ来た。さびてほとんど意味を成していない自殺防止の鉄格子へと手をかける。あと一歩踏み出せば俺は歴史に名を残す男へと変わる。そんな時だ。あの女が来たのは。「あれ」透き通る声が陰湿な空気の中に響き渡る。「田村くんじゃん。こんなとこで何してるの?」
聞き覚えのある声に振り返れば折本茜が立っていた。本ばかり読んでいるいつもひとりぼっちで誰も近寄らないクラスで浮いている所謂“陰キャ”である。そんな女が俺の状況をみしみじみと言葉を放つ。
「へー自殺か〜いいんじゃない?勝手にすれば」
他人事のような言い方にムッとしてしまった俺は迂闊にも言い返す。
「は?誰もお前に止めて欲しいなんて言ってないだろ」
「うん。だから勝手にすれば?って。あ、でもその前に田村くんの友達私にちょうだい?」
折本茜は訳の分からないことを言いながら器用に頭から脳みそを渡してくる。ギョッとする俺には気にも留めず続ける。
「交換。ちょうどこの体にも飽きてきたし死ぬならこの体で死んでよ。」
「は?!なんでお前に俺の体を……っ!」
言い終わらないうちに折本茜は田村柊弥に突き落とされる。
「……じゃあな。折本茜。」
田村柊弥は乗ってきた自転車を跨ぎ学校へ急ぐ。スタメンは俺のものだ。絶対に負けない。
「えー悲しいお知らせです。先日、折本茜さんが亡くなりました。原因は……」
翌朝HRで知らされた事実とも取れない事実によってクラスがざわつく中、1人の少年は奇妙に口角をあげるのだった。
ありがとうございました。初めての投稿なのでここも何書けばいいのか分からず雑談しております。時期にテンプレ固定するかもしれませんが今はこんな感じでダラダラと書きなぐります。『1日1000字』は私は小論文で全く書けなくてこれは行かん。と思いたって始めました。1日1000とは言いつつも不定期ではあります。書きたい時に書きたい文字数で書こうかな。でも、何な企画名はあった方がいいよな。じゃあこれでいいや!と考えました。同じのがあったら申し訳ないです。初めての作品ですが読んでいただき嬉しい限りです。次作も楽しみにしていただけると嬉しいです。ありがとうございました。