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居候高校生、主夫になる〜娘3人は最強番長でした〜  作者: 蓮田ユーマ
新しい季節編
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バンドしようぜ!

https://ncode.syosetu.com/n6498fy/1/

留年した別にタイプじゃない先輩と、だんだん仲良くなるだけの話。という作品の主人公たちが登場します。よろしければこちらもぜひ!



「楓太さん、バンドしようぜ!」


 春の風が裾に流れ込む日に、アキラは突然そんなことを言い出した。

 バンド、というとやはりあれでいいんだよな。ボーカルがきて、ギターにベース、ドラム……の、バンド。


「最近急にギターの練習をしていたと思ったら、そういうことだったのか」

「そーいうことっす。どうです?」

「うーん、どうですって言われてもな……俺楽器なんて弾いたこともないしな……」


 アキラの誘いなら出来る限りは乗りたいところだけれど、音楽なんてまったくの未経験。

 興味自体はあるのだけれど。


「それなら大丈夫っすよ、アタシの先輩っていうか、友達っていうか。めちゃめちゃギター上手い人がいるんすよ」


 つまりはその人から教わればいい、ということか。

 そういうことなら、一度やってみてもいいかもしれない。


「叶と愛花はもう色々できるから、あとは楓太さんだけなんすよ〜」

「そうか……でもアキラ、どうしてまた急にバンドしたいって思ったんだ?」

「かっけーからです」


 なるほどな。

 それは最高にシンプルで、納得のできる理由だった。


★★★


 そんな流れで俺たちはそのアキラの先輩に会いに来ていた。その人の名前、たちばな心優みゆと、名前のイメージから波打ち際でアコースティックギターを奏でる可憐な人……を勝手に想像していた。


「おー、アキラ。その子と一緒にやってみたいって?」


 アキラのような赤い髪、両耳についたピアス。

 歳は……恐らく俺たちとほとんど変わらない。高校は卒業しているらしいけれど、どれだけ歳上でも20歳だろう。


「よろしくなー、少年」

「は、はい」


 心優さんは屈託のない笑顔を浮かべて、俺の頭に手を乗せてうりうりと揺らす。

 伸びてくる左手の薬指に指輪がキラリと光っていた。安直に捉えると心優さんは結婚しているのだろうか。


 心優さんの結婚相手となると、それはそれで少し気になった。心優さんのように、パンクでロックな感じの人なのだろうか。


 けれど、それも結局は思い込みや偏見で、訪ねた家の奥から現れた人がそう示していた。


「心優? お客さん?」


 名前を呼ぶのは、心優さんとは正反対に極普通の見た目の旦那さん。爽やかで清潔感のある人だった。


「あぁ、来るって話してたろ? ギターおしえてやるんだ」

「そうだったんだね。──初めまして、たちばな信吾しんごです。よろしくね」



今回もここまでお読みいただきありがとうございます!

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