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居候高校生、主夫になる〜娘3人は最強番長でした〜  作者: 蓮田ユーマ
『怒髪天』VS叶編
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友達のお父さん。

ジャンル変更すべきは迷っているこの頃。するとしたら何になるのでしょうか。

今回はすごく短いです。


「信じろ……って」

「彩愛にとって、私はそんなに信じられない?」

「それは……」


 言葉に詰まる。

 今の叶のことは、いくらでも信じられる。

 いや、きっと大人になっても信じられはするはずなのだが、だとしても心は動かない、動けない。


 それだけ、心に抱えた傷が大きすぎた。

 簡単に拭えないトラウマが、ずっと胸に残り続ける彩愛には、それがどれだけ難しいことか。


 彩愛だって信じたい、信じたいが身体が、心がそれを拒絶する。

 

「わたしだって……信じたいよ、でも、わたしのこの気持ち、屈辱は、あんたにはわかんないわよ……」


 どれだけ優しくされても、その人が本当に悪意のない大人であっても、どうしても吐き気を催す。足が震える、冷や汗が流れて、頭の中が真白色になる。


 嫌い、なのではなく──怖いのだ。

 怖くて怖くて仕方がないのだ。

 強気な態度も、バイクを走らせるのも、怒髪天を作ったことも。


 全て、恐怖を紛らわせるためだった。


「だからもうっ、どうしたらいいかなんてわかんない──」

「彩愛っ……」

「力ずくで自分を誤魔化すしか、もう……っ!」


 一度は踏みとどまったが、再びブレーキを外してしまった彩愛は叶に襲いかかる。


「くそ、このっ……わからず屋ぁっ!」


 応戦するしかない、諦めのように拳を握りなおす──その時だった。

 後頭部に重い、あまりにも重い衝撃。一瞬で視界がぐらついた。それは何度か感じたことのある、馴染みのある一撃。


「だ、誰っ!」


 彩愛が突然の乱入者に当然に疑問を投げかけた。

 彩愛もすぐに、叶のようにではないが、首元を軽く手刀で叩かれ気絶する。


「喧嘩両成敗だ、バカ者」

「お、父さん……」


 彩愛と叶を担ぎ上げる峰十郎は、いつもよりもどこか──穏やかというか。

 なにか、可哀想なものを見る目をしていた。

今回もここまでお読みいただきありがとうございます!

恋愛要素、もう少しお待ちください……!

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