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居候高校生、主夫になる〜娘3人は最強番長でした〜  作者: 蓮田ユーマ
春夏終わって秋冬編
71/134

強くなるために。

ものすごく短いです。

「──強くなりたい、か」

「はい」


 クリスマスパーティーから一夜明け、俺はいつもの服装の峰十郎さんに向かいあう。


 これまで起きた事を、峰十郎さんに話した。

 あれからまた襲撃に合い、更に手酷い怪我を負ったこと、そして俺の気持ちを。


「守られてばかりじゃ、嫌なんです。それに、俺自身にも……ちっぽけですけど、プライドがある」


 あの瞬間でも、どの瞬間でも彼女たち頼りが前提だった。

 胸にこびりついた、本当にちっぽけで独りよがりなプライド。

 それと、アキラと叶の顔が浮かぶ。

 二人の気持ちに答える前に……守られてばかりで、どんな時でも俺に任せろと言えない男じゃ、俺が嫌だ。


「あの三人よりも強くなる事は難しいかもしれない、でも万が一の時、自分の身は自分で守れるようになりたい」

「……なるほどな」


 俺がやれること。

 家事もそうかも知れないが、それだけに終わりたくない。

 

「時間がない。技術が必要なものは教えられないが……君の生存本能に備えられたものに、関わるものを一つ、教えておこう」

「……生存本能?」

「それは──」


★★★


「……これで、いいんですか?」

「あぁ……必ずそれが役に立つ」

「……でも、確かにこれは俺の身を守ることには繋がるかもしれませんけど……皆を守ることは……」

「相手を倒す、ということだけが守る術ではない……勝てない相手からは逃げろ。それも一つの戦い方だ」


 それを聞いて俺はハッとした。

 勝てないなら逃げる。

 そうか、それでいいんだと。根性を見せるだけが全てではない。危険な目に合う前に、それから逃げ出してしまえばいいんだ。


 言われてみれば確かにそうだ、俺はどんな相手にも立ち向かう事ばかり考えていた。

  

「……とはいえ、護身の術も教えておこう」

「はい、お願いします!」


 逃げる事も重要だけれど、危険な状況に追いやられた場面から逃げ延びることも大事だ。

 

「拳の握り方は……」


 その日は、峰十郎さんを貸し切った一日だった。

 なんだか……上手く言葉にはできないけれど。


 胸の内が、暖かくなるこの感じ。

 

 俺にはそれが、どうしてだかとても……懐かしく思えた。

今回もここまでお読みいただきありがとうございます!

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