長女。
小町との再会や、御剣のアドバイスをもらった日から数日。俺はあの日から少しずつではあるが、叶とアキラについて意識が変わり始めていた。
そんな風に変わる日々の中、愛花から話が。
「楓太。来週の日曜日なんだが、なにか予定はあるか?」
「いや特にはないよ。どうした?」
「着いてきてほしい場所があってな。楓太にしか頼めないんだ、お願いできないか?」
愛花からのお願いというのなら、断れるわけもない。俺は二つ返事で了承した。
「何しに行くんだ?」
「駅前のスイーツショップなんだが……そこにカップルでしか注文できないなんとも度し難いメニューがあって。そこで楓太には恋人役として協力してほしくてな」
説明しながら、その例のものを携帯でみせてくれた。
それなりの大きさと、豪華さのパフェ。そして宣材写真のためだろうが、カップルのような男女が仲睦まじくパフェを食べさせ合っている。
「前に一人で行ってだめだったから、なんとかしてこれは食べたいんだ……」
「ははは、いいよ。行こうか、いつがいい?」
「それなら明日にでも!」
そうして俺と愛花はパフェを食べに行く約束をした……のだが。
「むー」
「……」
「あ……」
アキラと叶が不満気に、俺をジト目で見つめてきていた。
いや……言いたいことはわかる。でも、ほらさ。それはそれ、これはこれというか。
愛花の事も放って置くなんてこともできないわけだし、コレに関しては見逃してくれないと……。
「いや、違うんすよ。別に楓太さんになにか文句があるわけじゃなくて」
「ただ、なんの気もなく遊びに誘える愛花姉ぇが羨ましいなー、って思ってるだけ」
「……それは嫉妬と言うんじゃ」
「「嫉妬だよ」」
声を揃えて食い気味に返された。
嫉妬……なのか。じゃあ愛花と出掛けた後は、二人とも遊びに行くか……露骨な埋め合わせかもしれないが。
「と、とりあえず明日は留守番頼むな」
★★★
「楓太、準備できたか?」
「あぁ、行こうか」
翌日パフェを食べに行くため、朝から準備を終えて、俺たちは家を出た。
私服姿の愛花を見る機会はあまりないから、久しぶりに見るとなんだか新鮮に感じる。
ハイウエストデニムに、真っ白な大きめのシャツをタックイン。そして少し意外だったものが、細いフレームの丸メガネ。
「愛花、メガネかけてなかったよな?」
「出掛けるときは、たまにかける」
いわゆる伊達のオシャレメガネというやつか。
大人びた雰囲気によく似合っていて、とても同級生とは思えなかった。
「さぁ行こうか。パフェは待ってくれないぞ」
「ははっ、そうだな」
今日は少し暖かくて、歩いていても苦にならない。
いい休日の始まりだ。
そう、思った。
★★★
「行った?」
「あぁ」
愛花と楓太さんが出掛けるのを見届けて、アタシ達はその後を追う。
「今日は休戦だね、アキ姉ぇ」
「今日だけな」
アタシと叶はある事を危惧していた。
楓太さんの取り合いに、第三者が加わる事を。
──愛花はいつだって、アタシ達の上を行っていた。
だから今回も、まさかがあるかもしれないと。
「バレねぇようにいくぞ」
「がってんでい」
他のなにかなら負けてもいいかもしれない。
でも、これだけは……姉だからと見逃すわけには行かなかった。
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次回更新は11月4日です。
毎日更新に少しばかり限界が来ていますので……。




