女子トーク。
「えぇっ!? じゃあ楓太さん、そんなにひどい怪我を?」
「あぁ。……思い出してもゾッとするよ」
昼休み。
華子との雑談の途中で、最近ようやく退院した楓太さんの話が飛び出す。
華子の家に泊まりに行っていた時からその後が気になっていたようで、それはもう驚いていた。
泊まるはずだった当日も、愛花からの連絡を聞いて華子宅を飛び出したものだからなおさらだろう。
「でも良かったね、楓太さんが無事で……」
「あぁ、本当に……」
それに関しては本当に心から良かったと思えた。
もしもあのまま楓太さんの意識が戻らなかったらと思うと、想像しただけで胸が締め付けられる。
「本当に良かったね。アキラさん、楓太さんのこと好きだし……」
「あぁ全くだ……あっ」
「……」
「……」
「アキラさん、顔。なんだか心配になるくらい赤くなってるよ」
「お前こっち見るなよぉ……!」
こっ、こいつっ!
会話の流れでなんてことをさらりと……!
アタシも流されて否定しないのも悪いが、今のは完全にカマをかけに来てやがったぞ!
「やっぱり好きなんだ」
「だっ、うっ……な、なんでそう思うんだよ」
「だってアキラさん。ここのところずっーと楓太さんの話ばかりするし、それに加えて楓太さんの話してる時のアキラさんの顔。すごいよ? 見る?」
「え、なに……?」
スマホの写真のフォルダをスライドして、数枚のアタシの顔写真を見せるものだから、アタシは恐る恐るそれを確認した。
そこには──自分でも言うのもなんだが、恋する乙女というワードがぴったり当てはまりそうな表情だった。
「ってかこんなのいつの間に……」
「ほぼ毎回だからね。その気になったらこのフォルダ一杯にできるよ」
アタシはいつもこんな顔をしていたのか……あまりの羞恥心に今すぐこの場で転がりまわるか、丁度いい穴が欲しかった。
「で、で。アキラさん、楓太さんには何かアプローチは?」
「アプローチって……その。一緒に風呂とか……」
「えっ、裸の付き合い!?」
「バッ、バカッ!! 水着着てたよ! は、裸なわけ──」
しかしそこで思い出す。
あの日見てしまった、楓太さんの化身を……。
「……アキラさんて、本当に顔に出やすいよね」
「うっ、うるさい!」
悶々とする気持ちを抑えて、華子と向き合う。
確かに火照る顔を両手のひらで冷やしながら、アタシはこれからの楓太さんについて思い出した。
「そういや……愛花のやつが楓太さんと寝てるんだよな……」
「えっ、どうして?」
そこはかくかくしかじかだと、アタシは現在の楓太さんの状況を説明した。風呂と寝るときは、愛花と一緒だということを。
「それはまずいよアキラさん……寝る時も一緒のお布団なんて! このままじゃ……!」
「こ、このままじゃ?」
「楓太さんが愛花さんにメロメロになって勝ち目がなくなるかもよってこと!」
「なっ……!」
そんなことが許されてたまるか。
だか確かに華子の言うとおりだ、愛花にはそんなつもりはないかもしれないが、楓太さんの心境はどうなるかはわからない……!
こうしちゃいられない!
「よし。決めた……今夜は、あ、アタシが楓太さんと寝る!」
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