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居候高校生、主夫になる〜娘3人は最強番長でした〜  作者: 蓮田ユーマ
プロローグ
4/134

八月朔日愛花

今回で自己紹介パートは終わりです。


 カランカランと、何かを引きずる音。

 どうやら今入ってきた人物から発生しているらしい、鉄製ではない、乾いた音。


「愛花姉ぇだ」


 その正体は三姉妹の長女、八月朔日愛花……さんらしい。あと3秒にも後には姿が見えるのだろうが、その一瞬で様々な予想をしてしまう。

 だがその実、変にいろいろと考える必要はないほど彼女はシンプルな美少女と思えた。


 ──綺麗な黒髪だった。

 背まである絹のようなサラサラとした黒髪。お手本のようなセーラー服。アキラちゃん叶ちゃんは着崩しているが、愛花さんはそれを正しく着こなしていた。それだけを見れば、とても彼女は番長とは思えなかった。


 片手に血塗れの木刀を持っていなければ。


(あっ、この子もですよね)


 勝手に長女も番長なのだろうなと予想していたが、間違っていなかった。


「おかえりー」

「ただいま……その人は?」

「母さんが言ってたろ? 友達の息子が住むって」


 愛花さんは物腰穏やかな様子で、俺に手を差し出す。

 もちろん木刀を持っていない方で。


「初めまして、八月朔日愛花だ。事情は聞いている。いろいろ大変だろうが、これからよろしく頼む」


 愛花さんは随分と頼もしい口調で話す。セーラー服と木刀の効果で見方が変わり、これはこれでオーソドックスな番長……そう、スケバンと思えた。

 ヨーヨーも持ってたら完璧だった。


「愛花、またどっかで喧嘩してきたのか」

「喧嘩じゃない対話だ。私は争いは嫌いなんだ」


 じゃあその木刀は一体、と突っ込みそうになるが聞かずとも3人の話の流れで汲み取ることが出来る。


「だから一方的に制圧してきた」

「何人?」

「20人。まぁ大したことはない」


 恐ろしい会話だ。

 20人を相手に木刀一本で怪我一つなく、くぐり抜けたって事か……その上それを大したことはないと言いのける。

 通っていた高校にも、素行が悪い生徒はいたけれど、なんだかこの三人を見ていると可愛く思えてきた。


「愛花姉ぇ、自己紹介してあげてよ」

「ん? あぁ、そういう事か……叶は本当に好きだな」

「だって()()()()()でしょ! 見せて見せて!」


 俺に見せるというよりも叶ちゃんが見たいからという理由でその()()()()は始まった。


「ふむ。初めまして……龍ヶ崎学園番長、八月朔日愛花だ」


 凛々しい姿と名乗り。

 なんだか番長というと物騒なものとしか考えられなかったけれど、こうして三人を見ていると、それもおかしな考え方かもしれないが、ただ喧嘩が好きなだけなのかな。


「舐めてるやつはぶち殺す」


 前言撤回。

 やっぱりちょっと怖いです。

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